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リハビリテーション学部

Department of Speech, Language, and Hearing Sciences

  • 学生の在籍学年は2023年度在籍時のものです。

大湊ゼミ

口唇口蓋裂の音声言語機能と言語管理に関する研究

大湊 麗 Rei Ominato 講師

大湊ゼミでは、自然な顔貌や嚙み合わせ、音声言語機能の獲得を治療目的とする「口唇口蓋裂」について研究しています。言語聴覚士は口唇口蓋裂に対し、形態と機能の調和を目指したきめ細かな言語管理を担っています。その支援に役立つ知見を得ることが研究の目的です。一方、口唇口蓋裂に限らず「発音がはっきりしない」「言葉の発達が遅い」「どもる」といった小児の音声言語機能の支援方法も研究しています。これは、音声言語機能の改善だけでなく子どもの人格形成や社会性発達も含めた多方面に関わる研究です。本ゼミは、子どもが好きな人や子どもの発達・支援を学びたい人にも向いていると思います。

言語発達支援センターで小児の言語臨床を実際に経験しながら、子どもの言葉や発音の発達について研究しています。子どもを指導する際は、「泣かせてしまうのではないか」と自分の接し方に不安もありましたが、ゼミメンバーと協力して優しく声をかけたり先生から助言をいただいたりして、乗り越えられました。本人やご家族が喜んでいる様子を見るたびに、言語聴覚士という仕事のやりがいをひしひしと感じます。

言語聴覚学科3年 白井 優麻 新潟県 新潟西高等学校出身

田村ゼミ

運動障害に伴う発声発語や嚥下の病態に関する研究

田村 俊暁 Toshiaki Tamura 講師

田村ゼミでは口腔や喉、呼吸器などの運動障害に焦点を当て、音響学・運動学的な解析手法で患者様や健常者を対象とした研究に取り組んでいます。直接見ることが難しい発話や飲み込みの障害の可視化が、ポイントです。特に発話は聞き手の需要能力で聴こえ方が左右されるため、聴覚心理的な部分にもアプローチしています。近年、科学技術の進歩によってパソコンでの定量解析が低コストで行えるようになっています。本ゼミが得意とするのも、音響分析や動画解析を用いた定量解析です。こうした技術を活用できる言語聴覚士が増えれば、全国どこからでも高水準な言語聴覚療法を受けられる社会になるでしょう。

運動障害による発話障害の特徴について、聴覚心理的な観点からアプローチしています。評価者による聴覚的評価の違いや、当人が感じている重症度と客観的に見た重症度の解離などを検証しています。この研究を通して、障害支援には評価だけではなく患者様やご家族の思いを汲み取る姿勢も大切であると気づけました。ゼミでの学びを活かし、患者様にとって最善のリハビリテーションを提供していきたいです。

言語聴覚学科3年 木嶋 美翔 新潟県 万代高等学校出身

大石ゼミ

脳損傷後に起こる失語症に関する研究

大石 如香 Yuka Oishi 教授

声や話し方、自分の想いを相手に伝えること、それは自分のアイデンティティそのものです。このアイデンティティが揺らいでしまう、失われてしまう、それが言語障害を抱える患者様の心境ではないでしょうか。本ゼミでは、病気や事故で脳に障害が起きてしまった患者様に対してどのような支援ができるか、また患者様にとってリハビリテーションとはどんな存在かを実際の臨床現場の経験を交えて考えています。研究活動を通して、言語聴覚療法を必要とする方々への理解を深めるとともに、「共感する力」を養い、患者様やそのご家族の気持ちに寄り添って支援できる力を身につけられるようにサポートしています。

<ゼミの研究内容例>

佐藤克郎ゼミ

耳鼻咽喉科学と周辺領域の医学に関する研究

佐藤 克郎 Katsuro Sato 教授

私は耳鼻咽喉科の臨床医を務めており、本ゼミでは医学的な方法論を学びつつ研究活動を進めます。耳鼻咽喉科は肩から上の脳と眼以外の領域を診療するため、様々な疾患が研究対象となります。例えば、機能性発声障害という「喉頭疾患」、突発性難聴という「内耳疾患」、耳管狭窄症と耳管開放症という「中耳疾患」、喉頭全摘術という「頭頸部がんの手術」、睡眠時無呼吸症候群という「呼吸器疾患」などを研究して、広い領域に渡る卒業研究論文を作成します。医学研究の進め方には一定の共通原則があるので、ゼミで身につけた方法論を将来の臨床と研究に活かしてほしいと考えています。

<ゼミの研究内容例>

佐藤卓也ゼミ

脳卒中後の自動車運転再開に関する研究

佐藤 卓也 Takuya Sato 准教授

自動車運転は、日常生活において欠かすことのできない重要なスキルです。私は、自動車の運転に関係する脳の働きを研究して、リハビリなどの支援を行っています。患者様が仕事や家庭に戻るためにも運転再開は重要なものの一つです。社会復帰に貢献できるやりがいのある分野と思っています。この研究には運転免許センターや自動車教習所との連携が重要で、関係機関といつも連携をとっています。また、医療機関とも連携して研究を行っています。ゼミ生には私の専門にとらわれることなく自分が興味ある分野の研究を後押しして、それぞれの興味を伸ばすことをしています。

<ゼミの研究内容例>

今井ゼミ

噛んで飲み込む機能の障害に関する研究

今井 信行 Nobuyuki Imai 教授

“口”は、食べるという行為の際に最初に使用する器官です。食べ物を噛み砕いて飲み込みやすくしてから、のどと食道へ円滑に送り込む機能を持っています。しかし加齢や病気でこの機能が低下すると、食事困難になるだけでなく、生きていく楽しみを失いかねない状況に直面します。栄養状態の悪化が全身の筋力低下を引き起こして状態を悪化させたり、飲み込んだはずの食べ物が食道ではなく気管や肺に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあるからです。本ゼミではそのような障害を持つ方を支援するために、言語聴覚士として専門的な知識を学び、最新のリハビリテーションを探求しています。

<ゼミの研究内容例>

石本ゼミ

障害を持つ子と親への心理支援に関する研究

石本 豪 Gou Ishimoto 准教授<

障害を抱える子どもたちはもちろんのこと、親をはじめとした家族は様々な苦悩を抱えやすいため、心理的支援の重要性が指摘されています。しかしながら、そのような家族への心理的支援が注目されるようになったのは比較的最近であり、臨床で支援の根拠とすべき理論は定まっていません。そこで、本ゼミでは学内の言語発達支援センターに来所される子どもたちや家族を対象とした心理カウンセリングを実践し、心理的支援の知識・技術の修得を目的に活動しています。このようなゼミ活動を通して、子どもや家族の心と行動が変容していくプロセスに携われることは大きな魅力です。

<ゼミの研究内容例>

桒原ゼミ

人工内耳装用児者への支援に関する研究

桒原 桂 Katsura Kuwahara 准教授

新生児聴覚スクリーニング検査によって0歳で難聴が発見される時代になりました。国も難聴を早期に発見し生涯を通じて支援を行うことが重要であると考え、難聴と認知症の関係が話題になっています。また補聴器においては、十分言葉が聞きとれない重度の難聴児者には、人工内耳を手術で蝸牛(内耳にある音を感じ取る器官)に埋め込む治療があります。最近は、高齢の人工内耳装用者について興味を持つゼミ生が増えてきました。こうしたゼミ生たちに刺激を受けて、人工内耳の機器の調整と聞こえのリハビリの臨床を続けながら、成人人工内耳装用者の聞こえの満足度に関しての研究も始めています。

<ゼミの研究内容例>

吉岡ゼミ

言語発達障害児の語彙力に関する研究

吉岡 豊 Yutaka Yoshioka 教授

私は言語発達支援センターで子どもたちの訓練をしており、その中で興味深く感じたことを研究テーマにしています。すなわち、言語症状のメカニズムや改善過程などを客観的に記述・考察することが研究テーマとなっています。訓練に来ている子どもたちの言語症状の改善を実感できることは大きな喜びで、その実感を踏まえたうえで研究できることが本ゼミの最大の魅力だと思います。ゼミ生たちの多くも小児をテーマとした卒業研究を行っているのが特徴です。また、県内の過疎地域へ出向いて「言葉の相談会」の担当をしていますが、この活動は地域が抱える問題点を考える貴重な機会となっています。

<ゼミの研究内容例>

内山ゼミ

認知機能障害のメカニズムに関する研究

内山 信 Makoto Uchiyama 准教授

脳が損傷を受けると、「話すこと」「聴くこと」「読むこと」「書くこと」「記憶すること」「注意を向けること」「見た物を認識すること」などの認知機能に障害が生じます。例えば、話すことの障害について、言いたいことが思いつかないのか、思いついたことが言えないのか、言い間違えるのか、その症状は様々であり、それぞれ違うメカニズムで生じていると考えられます。本ゼミでは、患者様の症状がそれぞれの認知機能のどのような過程の障害によって生じているのか、また、それが脳のどの場所(部位)の障害によって生じるのかを、関連病院での臨床活動を通して研究しています。

<ゼミの研究内容例>