リハビリテーション学部
Department of Acupuncture & Moxibustion 鍼灸健康学科
フレイルとは加齢に伴う心身の虚弱化のことで、生活の質を落とし、様々な疾患発症の引き金となります。現代の高齢者医療では、フレイル進展の防止や健康状態への回復、つまりフレイル予防が重視されています。鍼灸治療は疼痛の緩和や運動機能向上の効果があり、高齢者のフレイル予防にも有効と考えられます。これまでの高齢者を対象とした研究では、治療直後のフレイル因子である筋力、歩行・バランス能力、嚥下(飲み込み)能力の向上が認められています。今後は、附属鍼灸センターや高齢者施設など、臨床の現場で実践して有効性を確認し、健やかな長寿実現(健康寿命の延長)の効果を確認していきたいと考えます。
スポーツ領域における鍼灸治療は、疲労回復やコンディションの維持、ケガの予防を目的に行うことが多く、プロアスリートやチームから注目を集めています。特に鍼に電気刺激を加える(電気鍼)ことで、効率良く筋肉のこりをほぐして疲労回復に繋げられます。筋肉を活性化させることで血行を促進させたり、肉体のコンディションを向上・維持したりといったことが期待できます。本研究では、この電気鍼の周波数の違いによる効果や効果機序について検討しています。今後、鍼灸がより広くスポーツ領域で活用されるよう研究を進めていきます。
美しさと健康は切っても切れない関係です。美しさをサポートするには、心身の健康をサポートすることが重要であり、美しく歳を重ねるためにも必要だと考えます。そこで、健美鍼灸に関する研究では、外見的、内面的な影響・変化についての研究を行います。外見的の変化(肌質、たるみなど)に加え、内面的な変化・影響(ストレス、睡眠など)を研究することで、現在の外見的な美しさのサポートはもちろんのこと、生涯に渡った心身の健美をサポートする鍼灸治療の提供に繋がると考えます。ゼミや研究では、生涯に渡った心身の健美サポートに繋げることを目標とした研究を皆さんとともに行っていけたらと思っています。
動植物や鉱物などの生薬を用いる漢方は、独自の理論体系を持ち、現代の医療と多くの点で異なっています。漢方が生体にもたらす影響を多角的に分析する研究を行っています。
鍼灸治療を受診するきっかけとなる症状の1つが痛みです。痛みはなぜ起こるのか、痛みを除くためにはどうすれば良いかについて基礎研究を行っています。
鍼治療は腹痛などの消化器症状にも効果があります。鍼刺激が消化器に関連する神経に及ぼす影響について研究を行っています。
パーキンソン病は手足の震え、動作緩慢、歩行障害などがみられる神経の難病です。症状を客観的に評価し、鍼治療の効果を検証する研究を進めています。