「視能訓練士」に求められる高度な検査技術を身につけるため、視力・眼圧・視野などに関する各種眼科検査、さらにコンタクトレンズやロービジョンに関する設備をワンフロアに配置しています。また、様々な学外実習施設や眼科医療現場に対応できるよう、複数メーカーの最新機器を揃えています。実際の業務を想定した最先端の実習環境を通して、眼科診療の複数の検査手順や流れも体験的に理解できます。
医療技術学部
Department of Orthoptics and Visual Sciences 視機能科学科
「視能訓練士」は視機能検査や視能矯正・訓練などを行う“見る”に関する専門家です。「視能訓練士」の業務には眼鏡度数の選定も含まれます。現在、日本では2人に1人が眼鏡を使用しているといわれており、視能訓練士が眼鏡分野の専門スキルを取得することは眼科医療だけでなく、QOLの維持・向上にも貢献できます。そこで本学では全国で初めて「視能訓練士」と「眼鏡作製技能士」のダブルライセンス取得を可能にしました。眼科と眼鏡の両分野について高い専門性を獲得することで、医療現場に加え、眼鏡販売店やコンタクトレンズ専門店などへと活躍の場が広がります。
「視能訓練士」に求められる高度な検査技術を身につけるため、視力・眼圧・視野などに関する各種眼科検査、さらにコンタクトレンズやロービジョンに関する設備をワンフロアに配置しています。また、様々な学外実習施設や眼科医療現場に対応できるよう、複数メーカーの最新機器を揃えています。実際の業務を想定した最先端の実習環境を通して、眼科診療の複数の検査手順や流れも体験的に理解できます。
視能訓練士の職域は、従来の各種眼科検査、視機能矯正・訓練やリハビリテーションだけにとどまらず、「子どもの眼の健康管理」や「生活習慣病の早期発見」、「アイフレイルの予防」、「スポーツビジョンのケア」など、近年ますます拡大しています。そこで、本学科は視能訓練士以外に、眼鏡作製技能士や医師、工学博士などの教員陣も配置し、様々な学びを多分野の教員から得ることができます。これにより、高い検査技術だけでなく、科学的知見にも精通した「眼(視覚)」のプロフェッショナルを養います。
2023年3月に本学科の第6期生が卒業し、第1〜6期生の就職累計内定率は、99.6%(内定者281名/就職希望者282名)を達成することができました。2023年度は就職希望者37名に対して、215件の求人が全国各地から寄せられ、卒業生は、自身の目標に合わせ、大学病院や総合病院などへの就職を実現しています。今後も本学科では、就職を希望する学生を全面的にバックアップし、高水準の就職内定率の実現を目指していきます。
スポーツを行ううえで「視覚」は競技パフォーマンスに大きく左右します。そこで本学の強化指定クラブと連携し、アスリートへの視覚評価を行っています。この取り組みではアスリートの基礎的な視機能を把握するための視力や眼の度数に関する検査などを幅広く行っています。さらに競技をしている時に装用しているコンタクトレンズ度数などが適正であるか、眼や視覚のプロフェッショナルとしてアドバイスを行いながら、アスリートへのサポートを行っています。
適切な眼鏡度数を選定することは視能訓練士の主要な業務の一つですが、実際に眼鏡を作るのは眼鏡作製技能士です。この実習は、実際にレンズを加工してフレームに枠入れし、顔に合わせてフィッティング調整するという、眼鏡分野の仕事を体験するもので、他の養成校ではほとんど実施できていない内容です。具体的には、自分の顔に合ったフレームを選定し、レンズを自動加工機にかけて枠入れ加工した後、できあがった眼鏡のかけ具合を調整します。レンズ度数の決定だけでなく、眼鏡加工からフィッティングに至る一連の流れを体験しながら学べるユニークな実習です。
スポーツを行う上で「視覚」は競技のパフォーマンスを大きく左右します。そのため、スポーツに関与する「動体視力」や「周辺視野」については競技にとって大事な要素となります。本学科では、強化指定クラブなどのアスリートが多く在籍する特色を活かし、専門的にスポーツビジョンの評価を行う試みを推進しています。今後も本学科では、視覚の専門家として、パフォーマンス向上に向けたスポーツビジョンの解析の取り組みについても進めていきます。
視機能科学科では毎年、「視機能科学科公開講演会」を開催しています。毎回、視能訓練士・眼科・視覚に携わる著名な先生方をお招きし、その時々のホットな学びの特色についてご講演いただいています。
~過去の講演会~
第1回 阿部春樹 先生 (初代学科長、新潟大学 名誉教授)
第2回 Eberhart Zrenner 先生 (Tübingen大学 教授)
第3回 内川 惠二 先生 (東京工業大学 名誉教授)
第4回 田淵 昭雄 先生 (川崎医科大学・川崎医療福祉大学 名誉教授)
第5回 深井 小久子 先生 (日本視能訓練士協会 前顧問)
第6回 和田 友紀 先生 (神戸大学 視能訓練士),荒木 俊介 先生 (川崎医大 視能訓練士)
第7回 小林 昭子 先生 (新潟医療福祉大学 教授)
超高齢社会の進展や視覚を取り巻く環境の変化に伴い、2030年には視覚障害者数が200万人にまで達すると予測されています (調査: 日本眼科医会)。一方、視能訓練士は、有資格者数が約1万4,500人(2017月12月31日現在/公益社団法人 日本視能訓練士協会)しかおらず、圧倒的に人材が不足しています。また、2010年には「眼科コメディカル全国統一試験」が廃止され、眼科検査・訓練を行うことができる専門職は視能訓練士のみとなり、国家資格である視能訓練士の早急な育成が強く求められています。本学科では、これらのニーズに対応できる質の高い視能訓練士を育成します。
視機能科学科では、現役視能訓練士の卒業生を招いて在学生に向けた講演会を行っています。これは卒業後,眼科外来で臨床業務に就いている卒業生から、自身が在学中の講義を受ける姿勢や国家試験、卒業研究への取り組みを講演してもらうものです。在学生にとっては自身の大学生活を見直し、将来像を明確にしたり、日々のモチベーションをさらに上げるきっかけになっています。
本学科では、「視能訓練士(国家資格)」と「同行援護従業者[視覚障害]」のダブルライセンスの取得を目指しています。近年、医療の目的は疾患に対する治療から、疾患を有する患者様のQOLの向上へと変化してきています。
「同行援護従業者」は、視覚障害によって移動が著しく困難な方の外出に同行して、援護や代読・代筆等の介助を行うための資格です。眼(視覚)のスペシャリストとして、幅広い視覚障害の患者様に対応できる視能訓練士の育成を目指します。