心理・福祉学部
Department of Psychological Sciences 心理健康学科
スポーツ場面では、常に他者と競い合うことで「切磋琢磨」しながら、お互いに上達していきます。この「切磋琢磨」の仕組みには、人が成長を繰り返すヒントがあるはずです。「切磋琢磨」するためには、他者の意図を読む必要があります。上手な人は他者の意図を探るための駆け引きを行っているので、実際の試合での動きから、この駆け引きの妙を探り、人がどのように他者の意図を推察し、「切磋琢磨」しながら成長しているのかを考えています。
私たちは時間の中で生きています。そして生きていくことは学習の連続です。その基礎過程として「動物の時間」を研究しています。弁別学習には、時間弁別、音刺激弁別、明暗弁別、逆転弁別等 様々な弁別学習があります。また、脳の情報処理過程に関しては、特に脳波の変化を指標として検討しています。動物、コンピュータ、人間に興味ある人、歓迎です。話をしましょう。研究対象とする行動はすべてです。
多くの場合、研究者は事実、すなわち「過去のある時に、誰かが特定の状況で経験し、現実世界に何らかの痕跡を残したこと」を探求しています。しかし、そうでないことがらを、私たちは日常生活でたくさん経験します。たとえば、猿蟹合戦や勝々山といった昔話の語りや伝承が、これに該当します。「いつか、どこかで、誰かが経験したかもしれない」はなしを、どうして語り、あるいは、語り継いだのでしょう。この問いに対して、状況要因に目を向けながら研究を進めています。研究が始まった当初は、こんなに長く続くとは思ってもみませんでした。こういったことに興味のあるみなさんと、はなしができればと思います。
私たちは身の回りの情報を、目や耳などの器官を使って体に取り入れ、記憶や感情などと合わせてどのように振舞うかを決定します。同じ情報でも、処理の仕方には動物一般に共通する部分と、種や個体ごとに異なる部分があります。私は、これらの認知機能の共通点や相違点の由来を知るために、動物の心や体の進化との関係に着目して研究を行っています。このような研究を通して、動物の考え方の多様性や、それを支える体の役割について理解を深めたいと思います。
精神的な問題を抱える方の中にはつらく、苦しい状態になり、場合によっては望まない入院をする方がいらっしゃいます。「クライシス・プラン」はそうした方々を支えるツールであり、安定した状態を続け、ピンチの時でも冷静に対処できる力を養うためのものです。さらに、家族や専門家と協力し、一人ひとりが自分らしい回復の道を見つけ、成長することを助けます。こうしたクライシス・プランの有効性を研究し、良い支援を目指しています。
経験は人を長期的に変えていきます。何かを覚える、上達することができる一方で、忘れてしまうことも多くあります。私の関心は、それらの変化がどうやって起きているのか、脳がどのように心の変化を実現しているのか、です。脳は様々な機能が得意な部位を多数持っており、それらを活発に働かせたり、働かせなかったりする組み合わせで複雑な心の機能を実現しています。上手く覚えることや、思い出すことの失敗に対応する脳の変化を調べることで、どのように心が変わるのかの理解を深めたいと思います。
私は、人間の身体と心の関係性について、主に精神分析学や力動的心理療法の立場から研究しています。人間が自然と調和して生きていくためには、心身の調和をはかることが大切です。心身の調和を保つために、「あたま」と「からだ」のあいだに橋を架け渡すこと、すなわち「からだ」からのメッセージを「あたま」でも捉えていくことが必要です。そのために、夢を語ること、箱庭や歌づくりなどの創作活動、心理劇やロール・プレイングで演じられたドラマを媒介として、人間の心や心理支援について探求しています。
人の行動や症状を、他者とのコミュニケーションを通じて理解することに関心があります。例えば、うつ病は本人だけでなく、家族やパートナーなどの重要な他者にも影響を及ぼします。ケアする側がうつ病になると、適切なサポートができず、結果としてうつ病者の症状が悪化する可能性があります。このような背景から、家族やパートナーも支援対象とし、コミュニケーションを重視する家族療法やブリーフセラピーに関する研究を行っています。
私の研究テーマは「アスリートがパフォーマンスを発揮するには?」という問いに応えるものです。心を鍛えるという直接的なものではなく、その背景に迫り、「攻撃性」と「女性アスリート」をキーワードに研究しています。
例えば、身体接触を伴うコンタクトスポーツ競技者にとって攻撃性がパフォーマンスの推進力になることを確かめ、どのように攻撃性を活かしていくかという視点で研究を行っています。
また、女性アスリートの身体性に着目しています。思春期に避けて通ることができない身体的変化は、必ずしもパフォーマンス発揮につながらないという点が女性アスリート特有の課題です。これは、産後アスリートも同様です。女性アスリートを生涯発達的な視点でとらえ、身体との向き合い方についても研究をしています。
生命を脅かされるような経験をすると、ときとして、長期間にわたり心身の不調をきたす心的外傷後ストレス症(Post-traumatic stress disorder:PTSD)という精神疾患を発症することがあります。その発症のきっかけとなる事象を知りたいと思っています。私は体に存在するストレス反応のひとつである視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)軸の働きに注目をして、きっかけを研究しています。HPA軸がPTSD発症に至る記憶過程にどのように関与しているかを行動神経学的手法を用いて探究しています。
カウンセリングや心理療法というと、相談しに来た人とカウンセラーが1対1で面接をするイメージが強いのではないでしょうか。実は、心理療法には、集団で行われる「グループセラピー」「集団精神療法」と呼ばれるものがあります。私は児童・思春期の子ども(小学生〜高校生)を対象としたグループセラピーを研究しています。メンバーたちはグループの中で、泣いたり笑ったり、時々本気でものを言い合う中で、自分の悩みに向き合えようになっていきます。そのようなプロセスを「安全に」進めていくためには何が大切なのかを考えています。
小さな子どもが、大人、同世代の仲間との関わりによって発達していく過程を研究しています。また、ユニークな発達過程である自閉スペクトラム症児の発達特徴や、サポートの方法なども研究しています。発達に凸凹がある子もない子も、必要な時に必要なサポートが受けられるように、また、健やかに発達できるようにと思い、この分野の研究をしています。
乳幼児期の発達から、高齢者のウエルビーイングまで,生涯にわたる人間の発達を,幅広い視点から捉え直す研究に取り組む発達研究ラボです。本学科の特徴である多彩なスタッフが共働して取り組んでいます。
現在は
①子どもの発達研究
②地域貢献として発達アセスメント(知能検査等)を
実施しています。
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cds@nuhw.ac.jp