特色
大学概要
学部・学科
キャンパスライフ
就職・資格
入試情報

心理・福祉学部

心理健康学科

Department of Psychological Sciences

松本 京介写真

心理・福祉学部/心理健康学科
Department of Psychological Sciences

Kyosuke Matsumoto

医療福祉学研究科社会福祉学専攻保健医療福祉マネジメント学分野長/准教授

プロフィール

担当科目臨床心理学概論、精神分析学、心理療法各論B(力動的心理療法)、心理演習、心理実習Ⅰ・Ⅱ、専門ゼミⅠ・Ⅱ、卒業研究A・B
専門分野臨床心理学
学位・称号/取得機関/取得年修士(教育学)/横浜国立大学/2000年
博士(教育学)/東京学芸大学/2005年
資格2002年4月取得 臨床心理士
2019年2月取得 公認心理師
過去の経歴文部科学省スクールカウンセラー。精神科診療所、カウンセリングセンターにて心理カウンセラー。精神科デイケアにてグループワーカー(音楽プログラム)。乳児院にて非常勤講師(ロール・プレイングを用いた職員研修)。
横浜高等教育専門学校、横浜市立大学医学部非常勤講師等を経て現職
所属団体・学会等日本心理臨床学会、日本心理劇学会、日本精神衛生学会、日本質的心理学会、新潟医療福祉学会、横浜ロール・プレイング研究会 等

業績等

研究領域精神分析学、力動的心理療法、夢の心理学的研究、臨床心理的地域援助(精神科デイケア、スクールカウンセリング)、喪の仕事
研究紹介

私は、精神分析学や力動的心理療法の立場から人間の身体と心の関係性について関心があり研究しています。人間が自然と調和して生きていくためにも、自らの身体と心の調和をはかることが大切であると考えているからです。
人間の身体には限界がありますが、人間の心はファンタジーを通して無限の広がりを持ち得ます。そのため、心を変化させる技法は無限の可能性を持っています。一方、心は広がりを持つゆえに、「病い」となってあらわれることがあります。それは、「あたま」の活動が無限に広がりすぎて、「からだ」の限界を超えかけている状態だと考えられます。
心身の調和を保つためには、「からだ」からのメッセージを「あたま」でも捉えていくことが必要です。また、「からだ」からのメッセージは他者にも向けられているので、自ら発しているメッセージが誰に何を伝えようとしているのか対人関係のなかで理解していくことも大切です。メッセージの理解に近づくために「ことば」が重要なのですが、「ことば」にならない想いを聴くためには、非言語的アプローチも必要であると考えています。
具体的には、夢の語りに耳を傾けること、箱庭や音楽などの創作活動、心理劇やロール・プレイングで演じられたドラマを通して人間の心を探求していくことです。私は、このような活動を実践しつつ理論化していくことを研究テーマとしています。

(1)これまでの研究テーマ
・金縛り(睡眠麻痺を伴う入眠時幻覚)
青少年の「身体化」という現象(「摂食障害」「不登校」状態の子どもにみられる心身症的愁訴など)を「身体と心の乖離状態」としてとらえ、身体化された行為の一つと考えられる「金縛り」を対象として研究しました。そして、金縛りの心理的意味が思春期的な葛藤にかかわると考察しました。また、金縛りが他者に向けられたメッセージとして関係のなかで理解される可能性をもつ現象であることを示唆しました。研究手法では、量的アプローチだけでなく、質的アプローチ(解釈学的現象学的分析)を併用し検討しました。

(2)最近の研究テーマ
・臨床心理的地域援助
中学校でのスクールカウンセラー、精神科デイケアでの心理職としての実践から、これまで個人心理療法のなかで心理職が培ってきた理論や技法が、地域援助のなかでどのように応用できる可能性があるのかについて研究しています。
・喪の仕事
人間がいかにして重要な他者や自己の死を引き受けていこうとするのか。死という不可避の現実、身体の限界という事態を人間の心はどのように捉えていこうとするのか。そして、援助者がどのように在ることが、クライエントの喪の仕事の経過に役立つ可能性があるのか。このようなテーマについて実践に基づき研究しています。

著書1. 『社会福祉を学ぶわたしの視座を見つけよう』 「こころに病いを持つとされる人を理解しようとすること」 丸田秋男監修 アサヒ印刷クリエイティブ 2021年12月 66~71頁
2. 『挫折と向き合う心理学』 「関係意識が変化する過程での挫折と変容」 高木秀明監修 福村出版 2020年1月 199~202頁
3. 『青年期精神療法入門』 「まなざしをめぐる自己形成と青年の身体化」 篠原道夫・松本京介・福森高洋編著 日本評論社 2017年2月 78~100頁
4. 『現代社会が抱える社会福祉の諸問題』 「心身の不調和とソーシャルワーク」 丸田秋男監修 アサヒ印刷クリエイティブ 2016年3月 16~23頁
5. 『子どものこころの理解と援助』 「子どもを抱える環境とこころの発達」  馬場謙一・井上果子監修 日本評論社 2013年9月 214~227頁
6. 『社会福祉の可能性』 「対人援助をめぐる専門性と人間性」 新潟医療福祉大学社会福祉学部編 相川書房 2011年3月 133~149頁
7. 『医療心理臨床の基礎と経験』 「発達心理学の知識」「デイケア」「あとがき」 馬場謙一監修 福森高洋・松本京介編著 日本評論社 2010年4月 45~62頁、155~171頁、253頁
8. 『スクールカウンセリングの基礎と経験』 「力動的理解の重要性」「家庭訪問」「あとがき」 馬場謙一・松本京介編著 日本評論社 2008年5月 39~52頁、117~137頁、297~300頁
受賞歴1. 2013, 2016, 2019【殿堂入り】 新潟医療福祉大学ベストティーチャー賞
研究論文(和文)1. 単著 治療構造論を学ぶなかでの「憎しみ」と「感謝」 横浜国立大学教育相談・支援総合センター研究論集 2023年2月 第22号 29-32頁
2. 共著 発達障害のある子どもをもつ母親の育児困難感の軽減に関する質的研究―子どもへのスキンシップとグループワークを通して 新潟医療福祉学会誌 2018年10月 第18巻 第1号 88頁
3. 共著 児童養護施設における職員研修プログラムの作成(第2報)―心理劇導入の意義と課題 新潟医療福祉学会誌 2016年10月 第16巻 第1号 64頁
4. 共著 児童養護施設における新人研修プログラムの作成(第1報) 新潟医療福祉学会誌 2015年10月 第15巻 第1号 70頁
5. 共著 カリキュラム改正が社会福祉学部教育におけるディプロマ・ポリシーの達成度に与えた影響 新潟医療福祉学会誌 2014年10月 第14巻 第1号 74頁
6. 共著 精神科医療における多職種間連携―A病院の看護師から見た多職種間連携を促進するもの阻むもの 新潟医療福祉学会誌 2011年10月 第11巻 第1号 77頁
7. 共著 児童養護施設におけるマルトリートメント防止に向けた予備的研究(第2報)―「適切な処遇」のイメージ及び職員のメンタルヘルスに関連する要因の分析 新潟医療福祉学会誌 2011年10月 第11巻 第1号 63頁
8. 共著 新潟県における薬物乱用問題の現状把握と今後の支援介入の方向性 新潟医療福祉学会誌 2011年3月 第10巻 第2号 10-17頁
9. 単著 青年の語りからみた金縛りの心理的意味 質的心理学研究 2011年3月 第10号 135‐157頁
10. 共著 児童養護施設におけるマルトリートメント防止に向けた予備的研究 新潟医療福祉学会誌 2010年10月 第10巻 第1号 51頁
11. 共著(筆頭) ナルコレプシーにおける睡眠麻痺を伴う入眠時幻覚の内容と頻度 臨床精神医学 2008年12月 第37巻 第12号 1595~1605頁
12. 共著 社会福祉の学部教育の在り方に関する基礎的研究 新潟医療福祉学会誌 2008年10月 第8巻 第1号 44頁
13. 単著 青年における金縛りの心理的意味 ―体験者がみた夢の主題 こころの健康 2005年6月 第20巻 第1号 57~69頁
14. 単著 睡眠麻痺を伴う入眠時幻覚の特性と感情の分析 ―ナルコレプシー患者と非患者との比較から 学校教育学研究論集 2002年3月 第5号 25~37頁
15. 共著 自我機能の発達と病態化の研究(その1) ―自我機能の測定尺度の開発 放送大学研究年報 2001年3月 第18号 1~10頁
科学研究費1. 基盤研究(C) 「医療ソーシャルワーカーの学部教育プログラムに関する研究」
公的機関(官公庁等)の審議会・委員会等の委員1. 2020年度~現在 新潟市精神保健福祉審議会 委員
その他の社会活動への参加協力1. 2010年度~現在 新潟市社会福祉協議会 対人援助を行うコーディネーターを対象とした個人スーパービジョン研修 スーパーバイザー
2. 2000年度~現在 精神科デイケア グループワーク(音楽プログラム) グループワーカー
3. 1998年度~現在 精神科診療所、カウンセリングセンター 力動的心理療法および支持的心理療法 心理カウンセラー

Profile

Research AreasClinical psychology
Research IntroductionPsychoanalysis, Dynamic Psychotherapy, Psychology of dreams, Community psychology
BooksIntroduction to school counseling (in Japanese).
Introduction to psychotherapy and psychological rehabilitation in the hospital setting (in Japanese).
PapersThe content and frequency of hypnagogic hallucination with sleep paralysis in narcolepsy (in Japanese).
Psychological meanings of Kanashibari according to the narratives of adolescents(in Japanese).