新潟医療福祉大学におけるロードマップの役割を果たしてきた現行の長期目標、中期目標・計画、短期のアクションプランはいずれも2020年度で終了となります。そこで2010年度から2020年度に至る11年間の将来計画に対して自己点検評価を行い、その評価結果を報告書としてまとめました。また、本学は2020年10月、7年振りに日本高等教育評価機構による大学機関別認証評価を受けました。その結果は適合の判定でしたが、参考意見として多くの指摘をいただきました。
これらを踏まえて、2021年4月から始まる新たな将来計画の策定に全学を挙げて取り組み、まず、2020年12月に開催された学校法人新潟総合学園の将来計画会議において、2021年度から2030年度に至る10年間に、「保健・医療・福祉・スポーツ・教育領域を核とし、既存の学術領域の融合や変革、新たな学術領域の創成により、「優れたQOLサポーター」を育成する、在学生8,000名の総合大学を目指す」という長期目標が承認されました。因みに、2010年度に定められた長期目標は「超高齢社会およびグローバル社会のニーズに応えるため、質が保証されたQOLサポーターとなる在学生5,000名の大学とする」でしたので、11年間に本学はこの長期目標をほぼ達成できたと判断しています。次の長期目標は、「優れたQOLサポーターの育成」という建学の精神を堅持しながら、在学生8,000名という具体的な目標を掲げるとともに、保健・医療・福祉・スポーツの4領域に、新たに教育を加えたことに特色があります。
次いで、この長期目標を実現するために、ガバナンス、教育、研究、社会連携、国際交流、スポーツの6分野に分けて、それぞれ2021年度から2025年度に至る5年間の中期目標とその目標を具体化するための中期計画を立案しました。さらに、この中期計画を実行するために、大学拡充計画の推進、教育の質保証(DPとCPを含む)、学生支援の充実(APと入試広報を含む)、研究機能の強化(産官学連携の推進を含む)、社会連携の強化(同窓会と生涯学習の支援推進を含む)、国際交流の推進、大学スポーツ振興の推進、学生募集の強化、組織マネジメント、内部質保証の10のドメインを設定し、2021年度から2023年度の3年間のアクションプランを立案しました。全体として121項目の中期計画に対して、298項目のアクションプランが用意されています。
今回の将来計画策定で特に意識したのは、わが国の少子高齢化がさらに進み、高齢者人口が最多となる2040年に向けて、本学が持続可能な発展を遂げることができる大学を目指すことです。これまでは団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題が議論されてきましたが、2040年問題ではより深刻な課題が指摘されています。また、2015年の国連サミットでは、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として、2030年までに持続可能で、よりよい世界を目指す国際目標としてSDGs(Sustainable Development Goals)が設定されました。今回の将来計画は、2025年問題、2030年問題、さらには2040年問題に向き合いながら、本学の持続可能な発展を目指したものです。
2020年は新型コロナウイルスに翻弄された1年でした。有効なワクチンが普及しても、新たな変異型ウイルスが出現する度に、これからも感染が繰り返されることでしょう。新型コロナウイルスは大学にも、社会にも大きな影響を及ぼしており、このウイルスが出現する前の状況に戻ることはありません。状況によっては、特にアクションプランと中期計画は見直しが必要になりますので、今後も感染の拡がりを注視しつつ対応して参ります。
2021年4月1日 新潟医療福祉大学学長 西澤 正豊
2010年度以降、将来計画の策定・改定と大学独自の自己点検評価を繰り返して実施し、下記の通り将来計画冊子と自己点検評価報告書を作成してきました。
上記の自己点検評価に加えて、3回の外部認証評価(日本高等教育評価機構)を受け、それにあわせて外部認証評価用の自己点検評価を実施し、報告書を作成しています。
理念:優れたQOLサポーターの育成
上記理念、将来目標を達成するために、10のドメインを設定し、以下の将来計画を策定