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2024年度 卒業式学長式辞

2024年度 卒業式式辞

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。大学院修了生の皆さん、修了おめでとうございます。新潟医療福祉大学の教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。ご臨席の保護者・ご家族の皆様におかれましても、さぞお喜びのことと存じます。ご子息・ご息女の晴れのご卒業・修了を心からお祝い申し上げます。
本日卒業なさるのは、理学療法学科115名、作業療法学科41名、言語聴覚学科33名、義肢装具自立支援学科32名、臨床技術学科100名、視機能科学科41名、救急救命学科 53名、診療放射線学科84名、健康栄養学科38名、健康スポーツ学科244名、看護学科 104名、社会福祉学科108名、医療情報管理学科92名の計1,085名、大学院を修了なさるのは修士課程53名、博士後期課程13名の計66名の皆さんです。本学は2001年の開学以来、15,302名の卒業生、733名の大学院修了生を社会に送り出してきたことになります。

私事になりますが、私はこの正月に新型コロナウイルスに感染しました。日本人の7,300万人が感染したと報告されていますので、少し遅い方でした。
新型コロナウイルスのパンデミックが始まって、世界は6年目に入っています。当時を思い出せば、世の中はこれから一体どうなってしまうのかと国中がパニックになり、緊急事態宣言の発令に繋がりました。それからまだ5年しか経っていないのですが、今回、私は2つ、大きな経験をしました。

一つ目は、未知の、未曾有の困難に立ち向かう人類の英知です。新しいウイルスの正体を知りました。PCR法などの診断方法を確立しました。何一つ持たなかった有効な抗ウイルス薬を次々と開発しました。重症の患者さんの治療法を開発しました。有効なワクチンを開発しました。そして、治療法の工夫は今も続けられています。新型コロナ肺炎では、仰向けに臥床するのはよくなくて、うつ伏せがよいことを今回知りました。こうした、ちょっとした発見が積み重ねられていくのです。良い結果が得られれば、インターネットを介して、瞬時に世界中の患者さんがその成果を共有できます。私自身、こうした恩恵をたくさん享受させていただくことができました。
医療はこのように進歩し続けているのです。ですから、皆さんは卒業してからも、新たな知識・技量を習得し続ける努力を怠ってはなりません。日進月歩の医療の進歩について行かねばなりません。皆さんは在学中、5つのSTEPSを学修することによって、いかに学ぶかという術(すべ)を学んでいます。
これがSTEPSでした。大切な内容ですから、もう一度、思い出しましょう。科学的知識と技能を学び続ける力のS、チームワークとリーダーシップを発揮する力のT、対象者を支援する力のE、問題を解決する力のP、そして自己実現を達成する力のSです。これからも生涯にわたり研鑽を続け、STEPSの最終目標である自己実現の達成を目指してください。

二つ目です。今回の主治医の先生は、私がかつて在籍した大学の卒業生で、私の講義を受けたことがあると教えてくれました、病院のスタッフは皆、私が新潟大学で、ともに診療・教育・研究に励んだ同僚・同志の方々でした、そして、医療の現場で一生懸命働いている何人ものスタッフが、本学の卒業生であると教えてくれたのです。私は感激し、彼らの活躍を大いに誇りに思いました。そして、「こうしてみんな繋がっているのだ」と実感したのです。
皆がそれぞれに持てる力を発揮し合い、クライアントの役に立ちたい、QOLの向上に貢献したいという目標に向かって努力していたのです。医療に従事する人たちの想いは、こうして受け継がれてきて、そしてこれからも受け継がれていくのです。皆さんも、卒業後・修了後に、この大きな、大きな営みに加わることになります。素晴らしいことではありませんか。

私たち新潟医療福祉大学の教職員は、在学中の皆さんにこうした想いを伝え、いわば種を蒔いてきました。今日、晴れの卒業・修了を迎えられた皆さん、今度は皆さんの番です。皆さんがこの素晴らしい種を蒔く番なのです。次の世代のために、新たな種蒔き続け、みんなが繋がっていってください。
保健・医療・福祉・スポーツの分野で、限りなく輝かしい未来が皆さんの活躍を待っています。新潟医療福祉大学は、皆さんの卒業・修了後も最大限の支援を続けます。「利他のこころ」をもったQOLサポーターとして、皆さんが大いに活躍してくださるよう、祈念して止みません。

末尾に、学長から皆さんに「はなむけの言葉」を送り、卒業式・修了式の学長式辞とします。

「明日、この世がなくなってしまうとしても、私は今日もリンゴの木を植える」

2025年3月19日 新潟医療福祉大学学長 西澤正豊