看護学部
Department of Nursing 看護学科
現在は、看護師によるがんサバイバーへの妊娠・出産、子育て支援に関する研究に取り組んでいます。治療後に子どもを持つことは、がんサバイバーの長期的なQOLによい影響を与えることが明らかになっています。ただ、がんサバイバーが子どもを授かり、健やかに育むには、がん治療開始から年単位の期間を要します。この間、患者は複数の医療施設を往来しており、いつ、どの資格を持つ看護師が、どのような支援に携わっているのか体系化されたものはありません。この研究では、様々な資格を持つ看護師による妊娠・出産、子育て支援を視覚的に比較できるマトリックス表にまとめ、臨床現場での活用を目指しています。
私が研究したテーマは「フライトナースが搬送中に経験する患者および同乗した家族の精神的苦痛」です。 過疎化や高齢化が急進する日本では、今後ドクターヘリの需要がますます高まることが予想されます。救急看護の分野に進みたい私は、この傾向とそこにある課題に関心を抱き、卒業研究のテーマにしました。研究の目的は、ドクターヘリで搬送されている患者さんとその家族が負う精神的苦痛を、身体的、精神的、社会的な側面から明らかにすること。膨大な先行研究を検証した結果、ドクターヘリによる搬送には救急車での搬送とは異なる苦痛が生じることが判明しました。ドクターへリならではの苦痛の本質を理解していれば、将来フライトナースとして苦痛の緩和に的確に対応できます。
看護は病院だけではなく地域でも行われています。そこは個人への支援とともに、治療を支えたり幸福に暮らしたりする社会やシステムの力を発揮できるようにするといった視点が求められるエキサイティングな分野です。研究は、病気を持つ人がどのように考えているのか、どのようにすれば暮らしやすい地域になるのかなどを考え、自らがその道の最先端に立ち、看護を切り開き、その過程で学び、専門家となっていくことができること、自らのしたいことをし、それが社会への貢献となることが魅力だと思います。研究を通して病気を持っている人や、支援している人との繋がりができ、そこから学ぶことができることも魅力だと思います。
本ゼミでは、看護教育学・基礎看護学に関する研究に取り組んでいます。看護教育学の研究対象には看護学生だけではなく、看護師、看護教員に関することなども含まれます。研究では、探求心と地道な努力、文章能力が求められますが、学生はディスカッションを重ね、文献検討をするうちに探求心が芽生え、地道な努力をすることができるようになっていきます。論文が完成した際には、学生自身の達成感も大きいと思いますが、私自身も達成感を味わうことができ、学生の成長を実感しています。
周産期における看護は、母親となる女性や赤ちゃんだけでなく、その家族をも対象にし、女性や家族を中心に捉えたケアの理念に基づいて行われています。本ゼミでは、母性看護を行ううえで重要かつ不可欠な倫理をふまえて、少子化や人工妊娠中絶に関連する問題、生殖医療技術の発展が女性や家族にもたらす課題に着目しています。また、より安全で安心な妊娠・出産のためのプレコンセプションケア(将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うこと)の重要性も追究し、将来の妊娠のためのセルフケアから周産期看護までの理解をより深めることができるような研究に取り組んでいます。
本ゼミでは、がんを抱えながら生活する患者様やご家族への支援を中心とした成人看護学領域に関する研究に取り組んでいます。ゼミ生たちは、看護学生として経験した講義や演習、実習などにもとづく個々の興味・関心、疑問を発展させ、研究テーマに取り組んでいます。研究は、一見看護実践と別のことと捉えられるかもしれません。ですが、研究テーマは日々の看護実践の中に潜んでいます。研究を通して、テーマとなる課題に気づくこと、またそれを明確にし探究する力を養うことは、研究力を養うだけでなく看護の質の向上や看護師となる学生自身の成長にも繋がります。
本ゼミでは、より高度な不妊治療である生殖補助医療に関連した研究や、それに伴う新しい家族を迎えるための支援に関する研究を行っています。
皆さんは、学校の保健室を利用したことがありますか?保健室では、主に養護教諭が職務にあたっています。養護教諭は、専門的な知識や視点、高いスキルを持って子どもたちのより健やかな成長発達の土台となる心と身体に関わります。現代の子どもたちの健康課題解決には、学校内外の連携が不可欠とされ、養護教諭は連携を図りながら学校保健安全を推進する要でもあります。本ゼミでは、看護学をベースとし、学校保健安全、子どもの育ちと支援、地域連携をキーワードとした研究に取り組んでいます。学校保健の立場を通して「子どもたちの笑顔に出会いたい」という思いを持ち活動しています。
働く人(労働者)の健康を支援する看護師を”産業看護師”と言います。日本人の3分の2が働いているという現状や働き方や労働に対する価値観が多様化していることなどを考慮すると、産業看護師が果たすべき役割は今後ますます重要になると言えます。本ゼミでは、”働く人の環境”や”働く人の能力”に焦点をあて、「その人らしい働き方とは何か」という問いを掘り下げていきます。近い将来、働くことになる皆さんは、どのような環境であれば自分の能力を存分に発揮することができるでしょうか?その問いを皆さんと一緒に探究していけたら嬉しいです。
本ゼミでは、小児のシミュレーション教育に関する研究を行っています。小児看護実習では、少子化や新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、実習で経験できることが限られています。本学には、メディカルシミュレーション教育センターが併設されており、実習で経験できないことを子どものシミュレーターを用いて経験することで、看護実践能力の高い看護師の育成を目指しています。学生がより多くの学びを得ることを目的に、どのようなシミュレーションにするかを研究しています。将来看護師となる学生の皆さんとともに看護教育について考えていけると嬉しいです。
意図しない妊娠をしたらどうしますか。世界中には多様な健康課題がありますが、意図しない妊娠は、少女や女性の健康・人権を脅かし、国際保健に深刻な影響を及ぼしています。そこで私たちは、女性の人権と命を守り、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖の健康)を増進するにはどのように取り組むべきかについて、女性のエンパワメントを軸に研究しています。目の前で苦しむ人や言葉にできない思いを抱える女性たちに対して、どうしたら解決できるかを考える。これが研究の第一歩です。1つの研究で明らかにできることは小さくても、その積み重ねが世界の健康に大きく貢献していくと信じています。