【理学療法学科】井上達朗講師の研究論文が国際誌に採択されました!
井上達朗講師(理学療法学科、運動生理Lab、運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌『Arch Gerontol Geriatr』に採択されました!
井上講師はリハビリテーションに必要な栄養学やサルコペニアという筋肉が萎縮する症候群に関する研究を数多く行っています。
今回、新しく出来たサルコペニアの基準値が脳卒中患者に適応するかどうか検討したところ、サルコペニアのスクリーニングに有効であることを明らかにしました。
【研究の概要】
アジアのサルコペニアワーキンググループ(AWGS)が新しく発表したサルコペニア(筋減弱症)の診断基準では、サルコペニアの早期の兆候を特定するためのスクリーニングとして下腿周径の測定を推奨しています。
しかし、回復期脳卒中患者においてAWGSが推奨している下腿周径のカットオフ値(男性:34cm、女性:33cm)の妥当性を検討した報告はありませんでした。
我々は回復期リハビリテーション病棟に入院した256名の高齢脳卒中患者において、AWGSが推奨している下腿周径カットオフ値は男女共に十分な感度を有しており、サルコペニアのスクリーニングとして妥当であることを明らかにしました。
一方で、性別によってスクリーニング能力が異なり、女性では34cmの方が効率的にサルコペニアをスクリーニングできることが分かりました。
【井上講師からのコメント】
本研究は国立長寿医療研究センター老年内科の前田圭介医師及び浜松市リハビリテーション病院の清水昭雄管理栄養士との共同研究です。回復期脳卒中患者においては、サルコペニアをスクリーニングする際に男女でスクリーニング能力の特徴が異なることを理解して適用する必要があると考えています。
【研究のポイント】
1.高齢脳卒中患者において、下腿周径のカットオフ値(男性:34cm、女性:33cm)はサルコペニアスクリーニングとして妥当な値である。
2.女性は34cmの方が効率よくスクリーニングできる。
>>図はこちらから
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2012211.pdf (16.0KB)
【原著論文情報】
Inoue T, Maeda K, Shimizu A, Nagano A, Ueshima J, Sato K, Murotani K. Calf circumference value for sarcopenia screening among older adults with stroke. Arch Gerontol Geriatr. 2020 Nov 3;93:104290. doi: 10.1016/j.archger.2020.104290. Epub ahead of print. PMID: 33171328.
>>理学療法学科の詳細はこちら
http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/pt/
>>理学療法学科オリジナルサイトはこちら
http://www.nuhw-pt.jp/
>>SHAINプロジェクトの詳細はこちら
https://www.nuhw.ac.jp/shain/