【新潟医療福祉大学だから成し得た、女性アスリートへの支援体制】アスリートサポート研究センター 大森豪教授と江玉睦明教授が、令和4年度スポーツ庁委託事業「女性アスリートの課題解決実践型プログラム」に採択!
平素より新潟医療福祉大学(以下、本学)への格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、本学アスリートサポート研究センター 大森豪教授(センター長/健康スポーツ学科)と江玉睦明教授(副センター長/理学療法学科)が、令和4年度スポーツ庁委託事業「女性アスリートの課題解決実践型プログラム」に採択されましたのでお知らせいたします。
女性アスリートが競技力向上を図りながら健康で競技を継続できるよう、ジュニアからトップレベルまでを含めた女性アスリートの環境を整備するとともに、競技引退後も活躍できる支援の充実を目的としています。
(左)江玉睦明教授、(右)大森豪教授
◆女性アスリートが抱える課題
女性アスリートが抱える女性特有の問題点として、「low energy availability(利用可能エネルギー不足)」 「無月経」「骨粗鬆症」があり、これらは「女性アスリートの三主徴」と呼ばれています。「女性アスリートの三主徴」は、継続的な激しい運動トレーニングが誘因となり、それぞれの発症が相互に関連し女性アスリートにとって重要な問題です。
◆女性アスリート支援について
女性アスリートが抱える女性特有の心身の課題については、スポーツ庁の主要な事業の一つとして取り組まれてきており、調査研究や啓発活動の成果は社会に周知されてきています。一方で、具体的な実践レベルでは、各競技団体ならびに各自治体が工夫して取り組んでいますが、基本的な医科学支援体制については十分とは言い切れません。とりわけ、新潟県などの地域においては相談者・相談窓口が限定され、恒久的に適切かつ体制の整った医科学的支援を受けることが難しい現状です。したがって、日本各地で活動する女性アスリートを支援するためには、各地域における医科学支援拠点の構築が急務であるといえます。
◆今後期待できること
本学はこれまでに、本学女性アスリートを対象として、学内における女性アスリートの医科学支援体制を構築してきました。そこで本事業では、この体制をさらに発展させ、新潟県の女性アスリート・指導者が女性アスリートに対して、専門的・包括的な医科学的支援を受けられる「産官学連携による女性アスリートの医科学支援拠点」を形成します。これにより、新潟県の女性アスリート(様々な競技種目・年代・競技レベル)・指導者が居住地域等で競技力向上を図りながら安全かつ安心して、専門的・包括的な医科学支援、自身の健康問題に対する理解の促進、予防及び早期発見に向けた適切な教育を受けることができる地域社会の実現を目指します。
◆スポーツ系学科を有する医療系総合大学 「新潟医療福祉大学」の強み
本学では2016年度よりアスリートサポート研究センターを設立し、スポーツドクター、理学療法士、管理栄養士、アスレティックトレーナー、スポーツカウンセラーなどが協同・連携するマルチサポート体制を構築して女性アスリートを支援しています。このようなサポートシステムは全国的にも珍しく、医療福祉系の総合大学である本学だからこそできる多職種連携チームによる支援体制と言えます。
本学では、令和2・3年度にスポーツ庁委託事業「女性アスリートの戦略的強化に向けた調査研究」の委託により、一次検診の役割として簡易的で非侵襲的に実施できる包括的な女性アスリート検診(月経関連・体組成・栄養・睡眠・骨密度・貧血・運動器機能・中枢神経機能)を開発しました(Edama M, Omori G. Peer J. 2021)。そして、新潟リハビリテーション病院スポーツ医学総合診療センターと協同・連携することで、二次検診の役割として女性アスリートの諸問題を早期発見・早期治療でき、さらに、医療スタッフとアスリートや指導者が密に連携を取りながら競技復帰を目指せる医科学支援体制を構築しています。
本学では引き続き、保健・医療・福祉・スポーツ分野の発展に貢献する研究と研究成果を広く世界へ発信することに積極的に取り組んでまいります。
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