2020年1月 6日 09:40 更新
神経生理・運動生理研究チーム
佐藤大輔(健康スポーツ学科,スポーツ神経生理学Lab、運動機能医科学研究所)らの研究グループは、35℃のぬるま湯に浸かることで、脳神経ネットワークの繋がりを変化させ易い状態を作り出せることを発見しました。本研究成果は、2019年12月27日に「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載されました。
今回の研究では、15分間、35℃のぬるま湯に浸かることで、一次運動野(私たちが運動するときに活動する脳領域)を中心とした神経回路が変化しやすい状態になることを発見しました。このことは、私たちが何か新しい運動技能を学習し、記憶することを促進してくれる可能性を示すものです。今後は、実際の運動学習を促進するかどうかを確認する実験を進め、スポーツやリハビリテーション現場への応用を目指します。
1.35℃のぬるま湯に15分間浸かることによって、一次運動野の神経回路が変化しやすい状態になることを明らかにしました。この効果は、特に、神経回路の変化が生じにくい人(ノンレスポンダー)で確認されました。
2.その要因として、私たちの覚醒度を調節しているアセチルコリン作動性の神経活動が、ぬるま湯から出た後に、一時的に高まることがあること明らかにしました。
3.アセチルコリン作動性の神経活動を評価することで、その人の神経回路の変化のし易さを予測できる可能性が示されました。
原著論文情報
Sato D, Yamashiro K, Yamazaki Y, Ikarashi K, Onishi H, Baba Y, Maruyama A. Priming effects of water immersion on paired associative stimulation-induced neural plasticity in the primary motor cortex. International Journal of Environmental Research and Public Health 2020, 17(1), 215.
>>健康スポーツ学科の詳細はこちら
https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/
>>運動機能医科学研究所の詳細はこちら
http://www.ihmms.jp/