大鶴 直史准教授らの研究論文が国際誌「Behavioural Brain Research」に採択

2019年4月15日 10:29 更新

神経生理・運動生理研究チーム

oturu.jpg大鶴 直史准教授(理学療法学科、神経生理Lab、運動機能医科学研究所所属)らの研究論文が国際誌『Behavioural Brain Research』に採択されました!

研究の詳細と大鶴先生からのコメントは以下の通りです。

研究の概要:
わずかな時間差をもって左右の手に触覚刺激を与えた時に、どちらが先に刺激されたかを判別(時間順序判別)する能力は、脳卒中や慢性疼痛の患者さんにおいて変容することが知られています。しかしながら、脳のどのような活動が判別に関与しているかは明らかではありませんでした。そこで、脳の活動を変化させることができる経頭蓋交流電気刺激(tACS)を使って検討を行いました。結果、10 HzのtACSによって後部頭頂皮質(PPC)を刺激すると、判別が向上することが分かりました。


大鶴先生からのコメント:
本研究は、両手からの触覚の入力を統合して判別するという複雑な処理を必要とする課題に対し、人為的な介入(tACS)を行うことで判別能力が向上することを明らかにしました。この結果は、脳卒中や慢性疼痛を有する患者さんに対する新たな介入手段となる可能性を秘めています。

本研究のポイント:
10 HzのtACSを用いて後部頭頂皮質(PPC)を刺激した際には、左右どちらの半球を刺激しても、触覚の時間順序判別が向上することを明らかにした点
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/190411-1.pdf (24.1KB)
時間順序判別能力は、偽刺激(刺激したように見せかけている条件)と比べて、左右どちらのPPCを刺激しても向上する。

原著論文情報
Otsuru N, Kamijo K, Otsuki T, Kojima S, Miyaguchi S, Saito K, Inukai Y, Onishi H. 10-Hz transcranial alternating current stimulation over posterior parietal cortex facilitates tactile temporal order judgment. Behavioural Brain Research, 2019.

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