2019年1月23日 09:46 更新
高齢者・こども健康増進推進チーム
山﨑雄大(博士課程2年)らの研究グループは、一過性の有酸素性運動による認知機能の改善効果が被験者の元々の認知機能に依存することを明らかにしました。元々の認知機能が低い被験者ほど、運動後に認知機能が改善することが分かりました。
本研究は電子ジャーナル『PLOS ONE』に公開されます。
これまでの研究は、運動が認知機能を改善させるかどうかに焦点を当てた研究が多く、運動効果の個人差については着目されてきませんでした。本研究では、課題成績の低い被験者ほど運動による成績の改善が生じるという結果を得ることができました。今回の研究で得られた結果は、どのような人が運動効果を得られやすいのかを追求していくための足掛かりになると思われます。
1. 10分の低強度・中等度運動が認知機能を改善させるか、そしてその個人差を、ワーキングメモリー課題を用いて検討しました(図1)
2. 低強度運動でも、中等度運動でも、運動前後で認知課題成績に有意な変化はありませんでした(図2)
3. いずれの強度の運動も、運動前の課題成績が低い被験者ほど運動後の成績が改善することが明らかになりました(図3)
Yamazaki Y, Sato D, Yamashiro K, Tsubaki A, Takehara N, Uetake Y, Nakano S, Maruyama A. Inter-Individual Differences in Working Memory Improvement after Acute Mild and Moderate Aerobic Exercise. PLOS ONE.
今後もこうした研究を通して、健康増進活動・スポーツ普及による地域貢献活動を推進していきます。