新潟医療福祉大学 センセイリング

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2013年4月1日

「ふだんの くらしの しあわせ」を研究しています。

青木 茂Shigeru Aoki

社会福祉学科 准教授

担当科目
ボランティアの世界、公的扶助論I・II、相談援助演習III・IV、相談援助実習II・III、相談援助実習指導I・II・III、社会福祉基礎ゼミ
専門領域
低所得者福祉、地域福祉、福祉教育

■出身地:新潟市北区(旧豊栄市)
■趣味:古本屋巡り、クラシック音楽・吹奏楽曲の鑑賞
小学校5年生から大学卒業までブラバン(吹奏楽部)でトランペットを吹いていました。今はもっぱら聴くことを楽しみにしています。指揮者の佐渡裕さんが好きで新潟での演奏会には必ず行っています。
■子どもの頃の夢:おまわりさんになること(パトカーに憧れていたようです)
■休日の過ごし方:本を読んだり、音楽を聴いたりと気ままに過ごしています。
■経歴:社会福祉法人新潟市社会福祉協議会地域福祉課長補佐を経て現職

青木先生の専門領域・研究分野について教えて下さい。

私は、約20年間社会福祉協議会という地域福祉を推進する民間団体に勤務してきました。児童福祉、老人福祉、障害者福祉はイメージができると思いますが、地域福祉というとわかりにくい分野だと思います。一言でいえば「お互い様の福祉」つまり地域住民による助け合い、支え合いを基盤とした福祉のことをいいます。昨今、一人暮らし高齢者等が誰にも看取られずに亡くなる孤立死の問題、足腰の弱った高齢者の買い物や通院における移動の問題、冬期間の除雪の問題など制度・政策や専門職だけの関わりでは解決できないことが地域の中でたくさん起こっています。このように困っていること、不安なことを住民のボランタリーな力を借りながら解決に結びつけていくことが地域福祉の本質であり、この仕組み作りや方法論について研究しています。24年度から少子・高齢化が進み、島民の健康・福祉・介護についての切実な問題がある佐渡市(新穂大野地区)に学生と共に8回ほど訪問しています。集落行事に参加させていただきながら信頼関係を築き、住民の皆さんの生活課題を把握することができました。25年度からはその課題を一つでも多く解決するために具体的なアクションを起こす計画です。こうしたフィールドワークが地域福祉研究の醍醐味です。そして、ふだんの くらしの しあわせ、それがふくし(福祉)です。

社会福祉学科の目指す資格の活躍の場や将来性について教えて下さい。

本学社会福祉学科では、全員が社会福祉士の資格取得を目指して頑張っています。社会福祉士は、「専門的知識及び技術をもつて、身体上もしくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者」(社会福祉士及び介護福祉士法第2条第1項)とされているとおり、福祉に関する相談援助と保健医療サービス関係者との連絡・調整が主な仕事になります。現在全国で約16万人の有資格者が福祉・保健・医療・教育・司法等の分野で活躍していますが、現場では有資格者が不足しています。平成25年度からは一定の要件により、所属組織を中心にした分野における福祉課題に対し、高度な専門知識と熟練した技術を用いて個別支援、他職種連携及び地域福祉の増進を行うことができる能力を有することを認められた社会福祉士に「認定社会福祉士」の資格を付与する制度が新たにスタートし、社会福祉士への指導的な役割が期待されています。

青木先生から見た新潟医療福祉大学、在学生について教えて下さい。

私は、新潟医療福祉大学に赴任して今年で3年目に入りますが、それ以前の社会福祉協議会勤務時代から社会福祉士現場実習やゼミ活動等で新潟医療福祉大学の学生と大勢接する機会がありました。そのいずれの機会でも「真面目」、「目的意識が明確」、「あいさつがきちんとできる」という印象がとても強く残っています。その前向きな姿勢が卒業後の就職先でも高く評価されていることはうなずけます。それとボランティア活動や社会貢献活動が活発に行われているところも医療福祉大学の良さですね。この良き伝統を後輩の皆さんも確実に受け継いでもらいたいものですね。

教育・授業において大切にしていることや考え方を教えて下さい。

私は、社会福祉協議会に勤務していた時に小学校、中学校の「総合的な学習の時間」で福祉のことや障がいについて話す機会がありました。もう一つは自治会・町内会の総会で年輩の皆さんに対して、地域にける支え合い、助け合いの重要性を語ったりとあらゆる世代、年代の方々に話す機会がありました。その中でそれぞれの世代・年代に合せて如何にわかりやすく、噛み砕いて話すかを体験的に学びました。本学の授業においても難解な専門用語をできるだけ噛み砕き、理解が進むように講義することを大切にしています。このことは一見すると「学生の主体的な学習にならない」とか、「甘やかし」のように見える部分もありますが、専門科目につきまとう、用語の意味や解釈などに対するつまずきやアレルギーを少しでもなくすることがその後の学びの意欲に大きくつながると信じて授業を行っています。

最後に受験生へのメッセージをお願いします!

ある学生から「青木先生は、これまでの人生でもう一度戻れるならどの時代に戻りたいですか?」と問われたことがあります。その時は迷わず「大学の4年間だね」と答えました。私の学生時代は、初めて親元から離れて、不安と期待に胸をおどらせ一人暮らしを始め、多くの友人、先輩、後輩に囲まれ、勉学・サークル活動に没頭できた有意義な時間でした。大学の4年間は、自身が目指す分野の専門性を獲得する期間であると同時に、人間として一回りも二回りも大きく成長させることのできる期間です。その4年間を新潟医療福祉大学で過ごしてみませんか。同じ目的をもった者が集うキャンパス。志のある皆さんの入学を期待しています。

次のセンセイを紹介して下さい。

吹奏楽部ツナガリの看護学科 坪川麻樹子先生です。
吹奏楽部の活動では、いつもお世話になっています。パンダ好きな坪川先生!宜しくお願いします!

青木先生が在籍する社会福祉学科の将来は以下のバナーよりご覧下さい。
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志の高い学生達へ講義中。専門領域は、「低所得者福祉」「地域福祉」「福祉教育」です。

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大学3年の頃の私です。吹奏楽部の定期演奏会でスタンドプレーをしました。いまでは良い想い出になっています。

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福島県南相馬地ボランティア

2011年12月23日、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県南相馬市鹿島区の応急仮設住宅に社会福祉学科3年生12名とともにふれあい・いきいきサロン活動に参加してきました。その後3月まで毎月1回訪問し、被災者の皆さんと交流をとおして心によりそってきました。サンタクロースの姿をしているのは私です。