2024.06.19
本研究は,日本学術振興会 科学研究費助成事業からの支援などを受けて言語聴覚学科の田村俊暁講師を中心に続けてきた研究テーマの一部をこれまでの他の研究機関の成果との関連を踏まえてまとめたものです。
【研究概要】
話し言葉は様々な運動器官によって営まれます.その中心となるのが舌です.舌の筋力が低下すると話す速度が遅くなったり発音が不正確になり聞き取りづらい言葉になってしまうと考えられます.しかし,意外にも舌の筋力低下がどのように話し言葉の異常に影響を及ぼすのか細かいところはまだわかっていません.本論文では,これまで先人の研究者が積み上げてきた成果をまとめ,そこから私たちがこれまで主に用いてきた音響分析の視点からその研究成果の意味についてまとめました。
【研究者からのコメント】
これらの結果は病院などで働く言語聴覚士が患者さんにリハビリテーションを提供する際の治療方法の論拠となったりすることが期待できます。
【本研究のポイント】
・ばらばらに行われていた神経筋疾患の舌の筋力低下に関する先行研究をまとめて整理した
・舌筋力と音響分析の結果から今後の言語聴覚士のリハビリテーションの論拠を提案した
【原著論文情報】
※総説情報
田村俊暁:神経筋疾患に伴う発話障害における舌の筋力低下.新潟医療福祉学会誌 23(3) 47-53 2024
【研究者情報】
リハビリテーション学部言語聴覚学科
(講師) (田村俊暁)
(専門分野:神経難病(パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など)の話すことや飲み込むことの障害を中心に、そのメカニズムやリハビリテーションについて研究しています。また、発声発語器官の運動機能に着目して健常者を対象とした基礎研究も行っています。)
言語聴覚学科の詳細はこちら
>>https://www.nuhw.ac.jp/faculty/st/