2024.04.01
徳永亮太(理学療法学科講師)ら共同研究グループの研究論文が、2024年3月12日付で国際雑誌「The Journal of Physiological Sciences」に掲載されました。
【研究内容の概要】
神経の圧迫や損傷によって生じる神経障害性疼痛は、その長引く痛みから、患者の生活の質を著しく低下させます。また、うつ病などの精神疾患を併発することも知られています。
本研究では、扁桃体中心核と呼ばれる痛みと情動(感情)にかかわりの深い脳部位において、麻酔下の神経障害性疼痛モデルラットにおいて、侵害性(痛み)刺激と触刺激に対するセロトニン放出変化を検討しました。無傷ラットでは、触刺激に対しセロトニン放出減少反応を引き起こしますが、神経障害性疼痛モデルでは、触刺激に対しても侵害性刺激と同様のセロトニン放出増加反応を引き起こすことを明らかにしました。
扁桃体中心核のセロトニン放出は、恐怖・不安関連行動に関与することが知られており、本研究により神経因性疼痛における恐怖・不安に扁桃体中心核のセロトニン放出変化が関与している可能性が示されました。
図1.神経障害性疼痛モデルでは神経結紮側への触刺激により扁桃体中心核セロトニン放出が増加反応を示す。
■研究の詳細についてはこちら
Ryota Tokunaga, Hideshi Shibata and Mieko Kurosawa.
Alteration of serotonin release response in the central nucleus of the amygdala to noxious and non-noxious mechanical stimulation in a neuropathic pain model rat. J Physiol Sci. 2024 Mar 12;74(1):17.https://doi.org/10.1186/s12576-024-00910-x
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