【理学療法学科】芝田純也教授が脳卒中後の嚥下障害に対する非侵襲的脳刺激を用いたリハビリテーションについてのレビュー論文を発表 - 新潟医療福祉大学 研究力

新潟医療福祉大学 研究力

2023.06.30

研究者 芝田 純也

【理学療法学科】芝田純也教授が脳卒中後の嚥下障害に対する非侵襲的脳刺激を用いたリハビリテーションについてのレビュー論文を発表

理学療法学科・芝田純也教授が脳卒中後の嚥下障害に対する非侵襲的脳刺激を用いたリハビリテーションについてのレビュー論文を発表しました。

本研究成果のポイント
9編いずれにおいても非侵襲的脳刺激法の有効性が示唆されていました。

研究の概要
脳卒中患者の多くに飲み込みにくさの障害(嚥下障害)を認めます。
これまでいろいろな方法がリハビリテーションに用いられてきましたが、近年、頭の外側から電気や磁気などで脳を刺激する非侵襲的脳刺激法が嚥下障害のリハビリテーションに用いられるようになり注目を集めています。
本レビュー論文では、非侵襲的脳刺激法の有効性を調べる目的で行われた臨床研究をまとめた論文(メタ解析論文)のなかで最新の9編をまとめました。

研究者からのコメント
今後、脳卒中後の嚥下障害のリハビリテーションにおいて、非侵襲的脳刺激法は重要な一つの選択肢になると考えます。

研究の詳細について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/prm/8/0/8_20230015/_article/-char/ja/

【研究者情報】
リハビリテーション学部 理学療法学科
教授 芝田 純也(しばた すみや)

脳には外からの刺激に応じて、その働きを変化させる「可塑(かそ)性」(状況に応じた変化のしやすさ)という性質があります。練習によって楽器の演奏が上手になったり、脳の病気により悪くなった手足の動きをリハビリテーションでよくすることなどは、脳の可塑性に基づいています。最近になって、脳の可塑性をもたらす方法として、練習や訓練といった実際に体を動かす運動以外に、磁気や電気で脳を刺激する「非侵襲的脳刺激」が注目されています。「非侵襲的」とは手術を必要としないということで、用いる刺激に大きな苦痛は伴いません。
私はいろいろな非侵襲的脳刺激を用いて、あるいは新しい非侵襲的脳刺激を開発して、どのような仕組みで脳が可塑性を発揮するのかを研究しています。また、これら非侵襲的脳刺激とこれまでのリハビリテーションを融合した画期的なネオ・リハビリテーションの研究もおこなっています。