2023.04.27
松浦由生子講師(健康スポーツ学科, アスリートサポート研究センター所属)の研究論文が国際誌『Sports Health』に採択されました!
【研究の概要】
競泳競技では肩関節の障害発生率が最も高いです。そのため、肩関節障害は『スイマーズショルダー』とも称され、その予防対策が求められています。本研究では、一回の水泳の練習で最も距離を泳ぐクロール泳と、肩関節障害の発生頻度が高い背泳ぎ泳に着目し、水泳動作時の全11筋の筋活動測定を行いました。筋活動のデータから、協調性を評価することのできる、筋シナジー解析を用いて、スイマーズショルダー群とコントロール群の筋シナジーの比較を行いました。
その結果、クロール泳時、背泳ぎ泳時ともに筋シナジーの個数はコントロール群で2つであったのに対し、スイマーズショルダー群は3つとなり、異なる筋シナジーを有しておりました。
本研究成果は国際誌『Sports Health』に掲載されています。
【研究者からのコメント】
スイマーズショルダーを有する選手は、リカバリー動作時の肩関節周囲筋と体幹筋群の協調性が破綻していることがわかりました。このことから、クロール泳や背泳ぎ泳における肩関節障害の予防やリハビリテーションにおいては、肩関節周囲のみならず、肩関節周囲筋と体幹筋群を協調的に活動させるエクササイズを導入したほうがよいと考えられます。
今後は、リハビリテーションや予防対策法の有効性についても検証していきたいです。
【原著論文情報】
Matsuura Y, Matsunaga N, Akuzawa H, Oshikawa T, Kaneoka K.
Comparison of Muscle Coordination During Front Crawl and Backstroke With and Without Swimmer's Shoulder Pain. Sports Health. 2023(in press)DOI: 10.1177/19417381231166957
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