ASMRの動画が脳機能にもたらす効果 - 新潟医療福祉大学 研究力

新潟医療福祉大学 研究力

2023.02.14

研究者 櫻井 典子

ASMRの動画が脳機能にもたらす効果

ASMR(autonomous sensory meridian response)は若者の間で人気が高まりYouTubeなどで動画再生回数が伸びています。利用の目的はリラクゼーション効果といわれていますが、動画を見た場合と音だけを聴いた場合の効果を機能的MRIを用いて脳機能の面から比較を行いました。音だけでも自律神経バランスに関与する島皮質の活性化がみられましたが、動画では側坐核などの活性化がみられ、疼痛、抑うつ症状や不安症状の改善にも関与する可能性が示唆されました。

本研究成果は、2023126日にFrontiers in Neuroscienceに掲載されました。

研究者からのコメント

本研究成果よりASMRのリラクゼーション効果が明らかとなりました。多くの若者が利用する裏付けとなったと考えています。そして、すでに利用され始めている抑うつ改善や疼痛緩和などが有意義であり、この研究成果がASMRの医療分野での活用を後押しすることに期待できます。

研究成果のポイント

1.(A)動画を見た時の脳の活性化の様子
 (B)音を聴いた時の脳の活性化の様子

画像1.png


2.動画視聴中に特徴的であった側坐核の活性化の様子

画像2.png

原著論文情報

Sakurai N, Nagasaka K, Takahashi S, Kasai S, Onishi h, Kodama N. Brain function effects of Autonomous Sensory Meridian Response (ASMR) video viewing. Frontiers in Neuroscience, 26 January 2023. DOI: 10.3389/fnins.2023.1025745

診療放射線学科の詳細
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【研究者情報】
医療技術学部 診療放射線学科
助教 櫻井 典子(さくらい のりこ)

人口知能(AI)の発展が目覚ましい現代です。医療の世界でもAIの研究開発は進んでいます。その中の画像診断部門におけるコンピュータ支援診断システム(CAD)を研究のテーマとしています。病気の早期発見早期治療や見落とし防止に繋がります。また機能的磁気共鳴装置(fMRI)によるヒトの情動と脳機能との関係を研究しています。ヒトの情動によって脳の活動する場所が違います。まだまだ未知なる脳の活動を非侵襲のMRIを使って解明することを研究テーマとしています。