2022.10.05
志賀恭介さん(理学療法学科18期生,修士課程1年,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)と宮口翔太講師(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)らの研究論文が,国際誌『Behavioural Brain Research』に採択されました!
ヒトは日常生活の様々な環境の中で状況に応じて不適切な行動を抑制し,適切な行動を選択するための実行機能が必要となります.この機能は反応抑制機能と呼ばれ,近年の報告ではこの機能に頭頂葉の頭頂間溝領域が関与することが明らかになっています.本研究では,経頭蓋直流電流刺激を頭頂間溝領域に施行(陽極条件,陰極条件,Sham条件)することによって反応抑制機能が向上することを明らかにしました.本研究成果は,国際誌『Behavioural Brain Research』に掲載予定です.
反応抑制機能に関与する脳領域として,前頭葉領域が一般的には知られておりますが,近年では頭頂葉の頭頂間溝領域も反応抑制機能に関与することが報告されております.本研究により,頭頂間溝領域への電気刺激により反応抑制機能が向上することが明らかとなりました.本研究結果は,反応抑制機能の低下した患者様に対するリハビリテーションの理解を深める有用な情報になると考えております.
① 反応抑制機能を評価するために,Stop signal taskを用いました.
陽極刺激条件において反応抑制機能の有意な向上が認められました.
Shiga K, Miyaguchi S, Inukai Y, Otsuru N, Onishi H. Transcranial direct current stimulation over the right intraparietal sulcus improves response inhibition. Behavioural Brain Research. Vol.437.114110.2023.