2022.02.01
稲葉洋美教授(栄養科学研究センターセンター長、健康栄養学分野長)、石上和男教授(医療情報管理学科)、星野芙美助教(健康栄養学科)、髙野晃輔助教(医療情報管理学科)が共同で実施した研究が国際誌に掲載されました。
本研究は、医療情報管理学科が国際交流協定(MOU)を締結しているロシア極東医科大学臨床小児科のProfessor Marina R. Rziankinaとの共同研究で、思春期の子どもたちを対象とした2報目の報告です。
【研究概要】
本研究は、COVID-19パンデミック中の新潟とロシア・ハバロフスクの男女735人(15歳)を対象とした研究です。
主観的健康状態とワクチン接種の意向を検討しました。
その結果、新潟とハバロフスクの思春期生徒は、それぞれ25.7%と29.9%が主観的健康状態を「とても悪くなった」「少し悪くなった」と回答しました。
さらに、主観的健康状態とその悪化因子との関連を明らかにするために、二項ロジスティック回帰を実施しました。
その結果、新しいライフスタイルへの適応の難しさが、男子生徒の主観的健康状態を悪化させる要因であることが示されました。
しかし、女子生徒の主観的健康状態の悪化は、本研究で用いた項目では説明できませんでした。
COVID-19ワクチン接種に関しては、新潟の生徒の76.9%が肯定的であったのに対し,ハバロフスクの生徒は35.5%と低いことが分かりました。
【研究者からのコメント】
COVID-19感染症の終息が見通せない今、思春期の子どもたちの主観的な健康を守るための具体的な対策が求められています。
本研究を更に進めていき、子どもたちの健康維持に貢献したいと考えています。
また、本論文執筆にあたり、たくさんのアドバイスを頂きました社会福祉学科の豊田典子先生にこの場をお借りして御礼申し上げます。
【研究のポイント】
日本においては、COVID-19パンデミック中の思春期女子の自殺率の高さが問題となっています。
ワクチン接種が感染予防の切り札とされている中、高齢者、医療従事者や基礎疾患がある方々へのワクチン接種が優先されましたが、子どもたちへの接種には更なる時間がかかりました。
この間の思春期の子どもたちの健康状態の把握に関する報告はほとんどありませんでした。
思春期の子どもたちにとっては、感染すること自体よりも感染症予防に対する関心が高く、この年代特有の対策が求められていると思っています。
【原著論文情報】
Self-Assessment of Health Status and Willingness to Be Vaccinated in Adolescents from the Niigata Prefecture and the Khabarovsk Region during COVID-19, Healthcare, In press.
【著者】
Hiromi Inaba 1,2 *, Marina F. Rziankina 3, Fumi Hoshino 2, Kousuke Takano 4, Eduardovna K. Potapova 3, Konstantin V. Zhmerenetskiy 3 and Kazuo Ishigami 4
1. 新潟医療福祉大学 栄養科学研究センター
2. 新潟医療福祉大学 健康栄養学科
3. Department of Polyclinic Pediatrics with a Course of Children's Infectious Diseases, Far Eastern State Medical University
4. 新潟医療福祉大学 医療情報管理学科
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