2021.02.10
井上達朗講師(理学療法学科,運動生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌『European Geriatric Medicine』に採択されました!!
リハビリテーション栄養に関する研究を数多く行われている井上先生ですが,今回は胃切除の高齢者における体重に着目した研究となっております.詳しくは以下をご覧ください.
近年、胃切除術を受ける高齢者が増加しています。我々はDPCデータを使用して、根治的胃切除を行った高齢者の術前BMI(体格指数)が術後の日常生活動作能力、合併症発症、在院日数に与える影響を分析しました。その結果、術前に「低体重」の高齢者は術後の日常生活動作能力が低いことが分かりました。一方で、術前「肥満」の高齢者は、術後に合併症を発症しやすく、在院日数が長いことが分かりました。
我々は全国の病院から収集されたDPCデータをもとに、胃切除を行った高齢者の体格が術後経過に与える影響を分析しました。本研究結果から、日常生活動作能力に関しては、太っている方が機能予後が良いという「肥満パラドックス」を示唆する結果となりました。一方で、肥満は術後合併症や在院日数に悪影響を与えていました。
術前の体格に着目したプレリハビリテーション(手術前のリハビリテーション)が重要かもしれません。
1.胃切除術前に「低体重」の高齢者は術後の日常生活動作能力が低い。
2.一方で、術前に「肥満」の高齢者は、術後に合併症を発症しやすく、在院日数が長い。