2020.12.18
井上達朗講師(理学療法学科,運動生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が国際誌『Arch Gerontol Geriatr』に採択されました!!
井上先生はリハビリテーションに必要な栄養学やサルコペニアという筋肉が萎縮する症候群に関する研究を数多く行っております.今回の研究は脳卒中患者さんを対象に新しく出来た基準値が適応できるかどうかを検討した研究です.詳しい内容は以下に説明いたします。
アジアのサルコペニアワーキンググループ(AWGS)が新しく発表したサルコペニア(筋減弱症)の診断基準では、サルコペニアの早期の兆候を特定するためのスクリーニングとして下腿周径の測定を推奨しています。しかし、回復期脳卒中患者においてAWGSが推奨している下腿周径のカットオフ値(男性:34cm, 女性:33cm)の妥当性を検討した報告はありませんでした。我々は回復期リハビリテーション病棟に入院した256名の高齢脳卒中患者において、AWGS が推奨している下腿周径カットオフ値は男女共に十分な感度を有しており、サルコペニアのスクリーニングとして妥当であることを明らかにしました。一方で、性別によってスクリーニングリーニング能力が異なり、女性では34cmの方が効率的にサルコペニアをスクリーニングできることが分かりました。
本研究は国立長寿医療研究センター老年内科の前田圭介医師及び浜松市リハビリテーション病院の清水昭雄管理栄養士との共同研究です。回復期脳卒中患者においては、サルコペニアをスクリーニングする際に男女でスクリーニング能力の特徴が異なることを理解して適用する必要があると考えています。