2020.08.20
阿部貴文さん(理学療法学科14期生、魚沼基幹病院勤務)と椿淳裕教授(理学療法学科、運動生理Lab、大学院急性期理学療法コース※、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際紙に掲載されました!
この研究は、阿部さんが神戸市立医療センター中央市民病院に2年間レジデント理学療法士として勤務しながら、新潟医療福祉大学大学院の修士課程(急性期理学療法コース)で取り組んだ臨床研究です。
※ 急性期理学療法コースとは、本学大学院の高度専門職業人プログラムの1つです。
レジデント(研修療法士)制度を有する急性期病院に勤務しながら本学大学院(修士課程)に所属し、急性期理学療法における基礎知識・技術を学ぶとともに、研究の基礎を学修することができます。
脳卒中急性期では、歩行機能などの身体機能の予測を行い、リハビリテーションの治療目標や自宅退院などの退院計画を早期に決定をする必要があります。
しかしながら、急性期脳卒中の患者は、意識障害、認知障害、および急性期治療に伴う安静により、定量的かつ、早い時期から歩行機能などの身体機能を予測することが難しいことが課題でした。
そこで本研究では、脳卒中を発症した早い時期でもベッド上で簡便に評価できる骨格筋量に着目し、歩行機能に与える影響について調査しました。
骨格筋量はサルコペニアを判断する指標の1つで、機器を使用することでベッド上でも簡便に評価できます。
骨格筋量は脳卒中患者の歩行機能や日常生活動作に影響を与えることが明らかになっていますが、急性期における影響は明らかになっていません。
本研究の結果から虚血性脳卒中の発症時に骨格筋量が少ないと、急性期退院時の歩行機能に影響を与えていることが明らかになりました。
本研究成果は「Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases」に掲載予定です。
本研究では、発症後間もない時期で身体機能の評価が難しい急性期の虚血性脳卒中患者を対象に、簡便に評価できる骨格筋量が急性期退院時の歩行機能に影響を与えることを明らかにした論文です。脳卒中患者の予後を予測する因子には様々ありますが、本論文では発症早期に骨格筋量を測定することが重要であることを示唆しました。本研究結果が、発症早期からの歩行機能の予後予測や目標設定の一助となれば幸いです。
Abe T, Iwata K, Yoshimura Y, Shinoda T, Inagaki Y, Ohya S, Yamada K, Oyanagi K, Maekawa Y, Honda A, Kohara N, Tsubaki A. Low muscle mass is associated with walking function in patients with acute ischemic stroke. Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases. [In press]
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