2020.08.31
大石 如香准教授らの共同研究グループは、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の患者の野菜鮮度判断能力が健康な高齢者に比べて低下し、野菜鮮度判断に質感認知能力が関与していることを発見しました。
本研究成果は、2020年8月6日に電子ジャーナルKarger Open accessの科学誌「Dementia and Geriatric Cognitive Disorders Extra」で公開されました。
認知症では食物の状態を判断できないために、傷んだものを使って料理したり、捨てるのを拒んだりすることがあります。
今回の研究では、認知症の患者さんの野菜鮮度判断にどのような要因が影響を及ぼすかについて研究しました。その結果、認知症では野菜鮮度判断が低下し、質感認知とコントラスト感度が影響することがわかりました。これらの知見は、認知症の患者さんの日常生活における環境整備や支援に役立つ可能性があります。
1. アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症患者の野菜鮮度判断能力と基本的視知覚および高次視覚認知機能との関連について解明を試みました。
2. アルツハイマー型認知症とレビー型認知症患者では、健常高齢者に比べて野菜鮮度判断が低下することが判明しました。
3. レビー小体型認知症患者では野菜鮮度判断と視覚性質感認知・コントラスト感度が関連することが判明しました。
※野菜鮮度判断=野菜が新鮮か古いかどうかを判断する力
Oishi Y, Imamura T, Shimomura T, Suzuki K. Vegetable freshness perception in dementia with Lewy bodies and Alzheimer's disease. Dementia and Geriatric Cognitive Disorders Extra; 74-85, 2020
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