足部にあるリスフラン靭帯には様々なタイプが存在することを明らかにしました - 新潟医療福祉大学 研究力

新潟医療福祉大学 研究力

2020.06.30

研究者 鈴木 由佳子

足部にあるリスフラン靭帯には様々なタイプが存在することを明らかにしました

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鈴木由佳子さん(理学療法学科16期生、海老名総合病院勤務)と江玉睦明教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!

研究の概要

人体には約206個の骨があり、足部には左右合わせて約52個もの骨があります。
その骨と骨が合わさり関節を構成しますが、そこにはさらに多くの靭帯が存在します。
今回、研究対象としたリスフラン靭帯は足部の中でも中足部と前足部をつなぐリスフラン関節を支持・安定させる靭帯のひとつです。
足部の非常に深層に位置するため、解剖学的研究においては剖出が非常に難しいこと、診断学的にはMRI装置などを使用してもうまく描出することができない非常に手ごわい靭帯です。
そのため損傷を起こしても分かりづらい(誤診しやすい)部位でもあります。
今回の研究では、そのリスフラン靭帯の形態学的特徴を明らかにしました。
リスフラン靭帯は、主に底側靭帯・リスフラン靭帯の2本の靭帯で構成される複合靭帯として考えられています。
しかし、今回の研究で靭帯の数が2本だけではなく4本や5本のタイプも存在するということが明らかとなりました。
更に、その靭帯の本数に関わらず幅や厚さ、走行が変化しない、つまり関節の安定性は靭帯の本数に依存しない可能性が考えられました。
今後さらに詳細に検討していく必要があります。
今回の所見は、リスフラン靭帯損の診断やリハビリテーションに有用な基礎研究になると考えています。
本研究は、国際誌『Journal of Foot and Ankle Research』に掲載予定です。

研究者からのコメント

本研究は、ご遺体を対象として底側靭帯とリスフラン靭帯の形態学的特徴を明らかにしたものです。今回の基礎研究が、初期評価で見逃されやすいリスフラン関節損傷の早期発見・早期治療の一助となれば幸いです。また、研究を進めるにあたり、江玉先生や大学院の先輩方の多大なるご尽力やご支援を賜りました。このような貴重な経験をさせていただいたことに感謝し、今後も臨床や研究に励んでいきたいと考えています。

研究のポイント

1.底側靭帯とリスフラン靭帯を明瞭に剖出した点

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2.底側靭帯とリスフラン靭帯を線維束数に応じてタイプ分類した点

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原著論文情報

Suzuki Y,Edama M, Kaneko F, Ikezu M, Matuszawa K, Hirabayashi R, Kagayama I. Morphological characteristics of the Lisfranc ligament. Journal of Foot and Ankle Research. [in press]

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