2020.06.26
近年、舌を口蓋(口の天井)に押し付けた時の最大筋力(舌圧)が飲み込みに重要であることがわかってきています。しかし、同じ部位を使っているにも関わらず、発音能力と舌圧とはあまり関係がないこともわかっています。そこで、視点を変えて舌圧を計測した時の「速度」に着目して波形解析を行ったところ、発音能力と関係があることがわかりました。
この成果は、日本言語聴覚士協会が発行している査読付き学術雑誌『言語聴覚研究』に掲載されました。
この研究は、若年の健康な人を対象にしているので、実際の神経や筋の病気で発音が悪くなった方のリハビリテーションへの応用までには、課題がまだたくさんあります。ただし、今回得られた成果をもとに発音能力に関する理解が深まることで、今後新たな治療方法の開発に結び付くことを目指しています。
1.舌圧計の新しい時系列データ解析法を開発したこと
2.舌圧を発揮するスピードが速いと発音の正確性も高いことを発見
田村俊暁,佐藤克郎:舌圧発現時の圧力時間曲線パターンの解析と発声発語機能との関連.言語聴覚研究, 17,2020.
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