2020.05.29
平林怜助教(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)の研究論文が『European Journal of Neuroscience』に掲載されました!
詳しい研究の内容は以下のようになっております。
円滑な関節運動に機能する相反性抑制を増強させる反復他動運動の効果的な介入法を確立しました!
-脊髄相反性抑制の増強には反復他動運動の運動速度と運動範囲に依存することを明らかにした研究-
脊髄相反性抑制は、関節運動・歩行・バランス機能に重要な抑制機能であり、脊髄相反性抑制が増強することで、これらの機能が向上することが知られています。
近年、脊髄相反性抑制を増強させる介入法が注目されています。我々の前回の研究でこれまでの相反性抑制増強法より介入効果が高い介入法(反復他動運動)を発見しました(Hirabayashi et al., 2019)
本研究は、反復他動運動が脊髄相反性抑制を効果的・効率的に介入効果を高める介入法を明らかにしました。
(1)反復他動運動(2)筋紡錘からのインパルス(3)Ia線維の発火増加(4)抑制性介在ニューロンの活性
脊髄相反性抑制を増強させる介入法は、近年注目されているが、我々は反復他動運動に着目して、効果的な介入法を明らかにしました。
本研究の結果より、脊髄相反性抑制が低下している対象(上位運動ニューロン障害、脊髄損傷、高齢者、アスリート)に対して、有効な治療法となる可能性があります。
今後、反復他動運動に加えて脳皮質の活動を変調させ、効果的な相反性抑制増強法を追究していきたいと思います。
反復他動運動(運動速度160°/s、運動回数618回、運動範囲背屈10°-底屈30°)で脊髄相反性抑制が増強した。
Fig. 4A:運動速度160°/s、運動回数618回の代表データ
Ia(Ia相反抑制)、D1(D1抑制)
Fig. 4B:Ia相反抑制が介入後15分増強された。
Fig. 4C:D1抑制が介入後20分増強された。
Hirabayashi R, Edama M, Kojima S, Miyaguchi S, Onishi H. Enhancement of spinal reciprocal inhibition depends on the motion speed and range of repetitive passive movement. European Journal of Neuroscience [in press]
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