足部形態は性別や荷重量によって異なる?-扁平足やハイアーチの評価法の再考に向けた研究- - 新潟医療福祉大学 研究力

新潟医療福祉大学 研究力

2020.04.01

研究者 高林 知也

足部形態は性別や荷重量によって異なる?-扁平足やハイアーチの評価法の再考に向けた研究-

ta1.jpg高林 知也助教(理学療法学科、バイオメカニクスLab、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!

研究内容の概要

代表的な足部変形に扁平足やハイアーチがあり,様々なランニング障害を生じることがわかっています.それゆえ,早期にそれらの足部変形を発見・治療するために,多くの先行研究によって足部評価の基準値が報告されています.先行研究で頻繁に使用されている足部の評価法として,arch height index(AHI:内側縦アーチの指標)とarch height flexibility(AHF:足部の柔軟性の指標)があります.しかし,AHIとAHFの基準値は先行研究間で異なっており,一定の基準値が存在しないことが現状です.その原因として,性別や荷重量が先行研究間で統一されていないことが考えられました.

そこで,本研究では若年男女を対象に,様々な荷重条件下で足部形態を評価しました.その結果,AHIは全ての荷重条件下で性差を認めました.一方で,AHFは荷重条件に違いがありましたが,性差は認めないことを明らかにしました

本研究は「Journal of Foot and Ankle Surgery」に掲載予定です.

研究者からのコメント

本研究結果より,AHIを使用する際には性差と荷重量を考慮した基準値を使用する必要があり,AHFは荷重量を考慮した基準値を使用する必要があると考えられます.本研究結果は扁平足やハイアーチの評価法を再考できる基礎的知見になると考えています.

本研究成果のポイント

①様々な荷重条件(sitting, double-leg standing, single-leg standing)で測定した点.

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②性差と荷重量を考慮してAHIとAHFの違いを明らかにした点.

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原著論文情報

Takabayashi T, Edama M, Inai T, Nakamura E, Kubo M. Effect of gender and load conditions on foot arch height index and flexibility in Japanese youths. Journal of Foot and Ankle Surgery. 2020.4.1.

【研究者情報】
新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 理学療法学科
助教 高林 知也(たかばやし ともや)

足部をテーマとし、ランニング中における足部内の詳細な動きを検証することで、ランニング障害発生メカニズムを解明する研究を行っています。