心理・福祉発見サイト - 新潟医療福祉大学

じっくり探すと見えてくる心理・福祉発見サイト 新潟医療福祉大学

暮らしの身近なところで、 実は大切な役割を果たしている「心理・福祉」。 ここから自分の関心のあることが見えてくるかも。 暮らしのシーンから一緒に探してみませんか。

通学でもお出かけでも利用する駅、じっくり見てみると…

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毎日会う人への親近感[単純接触効果]

何度も接触することで、その対象に対する好意や親しみが増す現象です。例えば、同じ時間の電車で頻回に会う人に対して、自然と興味や親しみがわいてきます。これは何度も接触することで安心感や親近感が増すからです。

広告[カラーアソシエイション]

特定の色が特定の地域やイメージを連想させることです。例えば、北海道フェアの広告では、緑や青、白などを使って、自然豊かな風景や新鮮な食材を思い起こさせます。これにより、北海道の魅力を視覚的に強調します。

電光掲示板 [予測可能性]

未来の出来事を事前に知ることができることです。例えば、駅で電車の遅れや到着時間が表示されると、次に何が起こるか分かり、不安やイライラした感情が起きにくくなります。

エレベーター

子どもや車いすの人も、一人でボタンを押すことができるよう、低い位置に操作ボタンがあります。安心して乗り降りができるように開閉時間が少し長めになっています。また、大きな鏡は、車いすの人が回転せずに出入口を確認できるようにつけられています。

点字ブロック

目の不自由な人が安心して外出できるために、足裏の触感覚で認識できるように突起を表面につけたものです。通行の方向に線が向いている『線状ブロック』と、曲がり角や交差点など注意が必要な地点、到着地点などを示す『点状ブロック』の2種類あります。

監視カメラ

高齢者・子ども・障害者の安全を確保するために役立ちます。ホームから落ちてしまわないか、危ないところに人はいないかを監視し、事故を防ぎます。また、監視カメラがあることで犯罪から守る役目も担います。

ホームドア

視覚障害者や子どもの落下事故を防ぐために設置されたユニバーサルデザインです。交通手段である電車や新幹線に乗る際に、安心、快適な日常を送ってほしいと各駅に少しづつ設置されてきています。

暮らしのシーンから見る! 学びと研究

誰にとっても利用しやすくするという考え方はユニバーサルデザインとされ、社会に広く普及しつつあります。

中でも、制度的なバリアや差別・偏見といった心理的バリアなど、表面的に見えづらいバリアをどのように取り除くかについて、研究をしています。

従来、障害を負うことは個人の災難や悲劇によるものと捉えられてきました。しかし現在、障害は差別的な社会の考え方や在り方から生じるとする「社会モデル」が一般的になってきています。障害を持つ人と一緒に活動し、社会への完全参加が達成されるためのソーシャルワーク実践を研究しています。

心理・福祉の豆知識

通学で会うあの人と仲良くなりたい! その方法とは!?

上記の単純接触効果は何度も会ったり見たりすることで、その人に対する好意が増す現象です。頻繁に接することで、自然と仲良くなりやすくなります。

次に、「類似性‐魅力仮説」です。これは、自分と似ている人を好きになる傾向があるということです。共通の趣味や価値観を持っていると、お互いに理解しやすく、親しみを感じやすくなります。例えば、同じ音楽が好きだったり、同じクラブ活動をしていると、話題が豊富で仲良くなりやすいです。

また、「ハロー効果」も重要です。これは、一つの良い特徴が他の評価にも影響を与える現象です。例えば、明るくて笑顔が多い人は、他の面でも良い印象を持たれやすくなります。良い第一印象を作ることで、その後の関係がスムーズになります。

さらに、「好意の返報性」も理解しておくと良いでしょう。これは、誰かが自分に好意を示すと、自然とその人にも好意を返したくなるという心理です。相手に親切にしたり、褒めたりすると、その相手もあなたに対して好意を持ちやすくなります。

これらのポイントを活用することで、人間関係を円滑にし、より良いコミュニケーションを築くことができます。頻繁に接し、共通点を見つけ、良い第一印象を与え、親切にすることで、友好関係を深めることに繋ります。

駅中の「福祉」って?

私たちの生活に密接な公共機関が駅です。駅には普段気付かないような、デザインの工夫が至る所に潜んでいます。誰もが自由に、簡単に、安全に利用できるなどを意識しデザインされたものが「ユニバーサルデザイン」として普及しており、駅の構内でも多数見られます。

例えば、エレベーターは大きく広々とした作りが特徴です。それは、車いすやベビーカーがそのまま乗り降りできるためですし、最近では、ホームへ続くエレベーターは、入口と出口がそれぞれ違う方向に設置され、エレベーター内で回転する必要がないように工夫されています。また、狭いところが苦手な人にも考慮されたガラス張りのエレベーターもあります。

電光掲示板は、聴力に障害がある人が目で見て運行状況がわかるようになっていますし、LEDライトを使用することで、英語など多国籍の言語表示が可能となり外国人にもわかりやすいものになっています。

文字が読めない子どもから、日本語がわからない外国人、障がいを抱える多様な人が利用する駅には、ユニバーサルデザインが溢れ、誰もが快適に外出しやすい工夫がされています。

教室

青春がつまった教室にも隠れた心理・福祉が…

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友達とのトーク[血液型性格判断]

血液型性格判断は、4つのカテゴリに人を分類できることから、人気な話題の1つです。しかしながら科学的根拠はありません。心理学的には人が信じる理由の1つに「バーナム効果」が挙げられ、誰にでも当てはまる曖昧な情報を自分に特有な特徴と感じるため、「当たっている」ように思ってしまいます。これは占いや星座占いでも見られる現象です。

部活[自己決定理論]

自分で決めたこと(内発的動機)が一番やる気を引き出し、持続するという考えです。例えば、部活のトレーニングで「やらされる」感覚で取り組むよりも、自分なりに工夫して主体的に取り組むことで頑張る気持ちが高まり、持続するため、結果としてよりレベルアップできます。

SNS[承認欲求]

TikTokやインスタグラムなどのSNSで「いいね」を求めたくなる心理として、承認欲求(他人に認められたい気持ち)が関係します。「いいね」がもらえると嬉しくなり、脳内物質が放出され、その感覚をまた味わいたくてさらに「いいね」を求めるようになります。

チョーク

社員全体のおよそ7割が知的障害を抱えている文具メーカーが国内のチョークの70%を製造しています。チョーク製造を通して、障害者の方々は、働くことの喜び、生きがいを感じ、障害者雇用を創造しています。

タブレット・スマホ

弱視など視覚に問題のある生徒は、教科書などが「見えにくい」困難を抱えています。タブレット・スマホの読み上げ機能を使い、教科書を理解することができます。また、読み書きが苦手な生徒もこの機能を使うことで、同じ教室で学ぶことが可能です。

女子制服(スラックス)

性別に関係なく着ることができるジェンダーレス制服の1つです。制服選択の自由は、生徒一人一人の多様性を尊重するだけでなく、新しいファッションとして注目されています。冬が寒い新潟では、スラックスを履きたい時もありますよね。

暮らしのシーンから見る! 学びと研究

スポーツにおける美しい動きは、とても複雑に見えますよね。ただ、その中には単純な規則が隠れています。その規則を探ることで、人の行動がどのように生まれるのかを理解したいと思っています。

子どもがどうやって言葉を自分のものにしていくのかを研究しています。言葉を身につける過程は、頭の働きや体の動き、人とのやりとりと深く関わっています。この研究結果を学校や福祉の現場で役立てたいと考えています。

子どもの育ちに不可欠な学力や社会生活力を身につけるためには、全ての子どもに質の高い教育を受ける権利を保障する必要があります。不登校やいじめ、ヤングケアラーなどの問題について、子どもとその家族に対する働きかけを基本とするスクールソーシャルワークに関する研究をしています。

心理・福祉の豆知識

スクールカウンセラーとは?

スクールカウンセラーは児童・生徒が学校生活で抱える問題、例えば友人関係のトラブル、勉強のストレス、家庭の問題などを相談しやすい環境を提供し、保護者や教師と協力して学校生活がそれぞれの児童生徒に合ったものになるよう支援します。そのほかにもストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応、事件・事故などの緊急対応における児童・生徒の心のケアなども行います。

スクールカウンセラーは児童・生徒の心理面に焦点をあて、児童・生徒が自分の気持ちを整理し、問題解決のための方法を見つける手助けをします。また、必要に応じて外部の専門機関と連携し、より専門的な支援を提供することもあります。

このように、スクールカウンセラーは生徒が安心して学び、成長できる環境を作るために重要な存在となっています。

スクールソーシャルワーカーとは?

子どもたちが抱える心配事や課題の解決を目指して活動する人たちのお手伝いをする福祉専門職です。

スクールソーシャルワーカーは子どもの気持ちを大切にしながら、子どものための応援チームを作ります。そのために「環境へ働き掛け」たり、関係機関等との「ネットワークを活用」したりするなど、多様な支援方法で活動します。

具体的には、子どもとその家族への面談や訪問、教員への支援などを行います。

面接室で対応をするだけではなく、広く学校内においてコーディネート役を担います。担任の教員をはじめ、学校管理職や生徒指導教員、養護教諭などとのチーム力を強化し、支援体制が構築されるように働きかけます。

さらに、必要に応じて学校外の児童相談所や福祉資源などと連携ケース会議などを開催し、バックアップ体制を整えます。

スーパーマーケット

今日は家族で買い物! 私たちの暮らしを支えるスーパーをよく見ると…

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店内BGM[プライミング効果]

店内のBGMにおける心理学的な効果は様々なものがありますが、その1つがプライミング効果です。これは先に与えられた情報がその後の思考や行動に無意識に影響を与える現象です。例えば、店内にクリスマスソングが流れると、クリスマス関連の商品を買いたくなることがあります。

ポイントを貯めたくなる[条件づけ]

購入するとポイントがもらえることに関わる心理学的な効果は様々なものがありますが、その1つがオペラント条件づけです。購入ごとにもらえるポイントという報酬により、次も同じ店で購入する確率が高まります。このように行動と報酬が結びついて購買意欲が高まるのです。

背の低い陳列棚

子どもや車イスユーザーにも優しい配慮として、陳列棚の一部が低い位置に配置されています。目線の高さにある商品は目立ちやすく、手に取りやすいです。子どもの時から、物を選ぶ、買う体験をすることで、社会の仕組みを知ることができます。

小さいカゴ

大きなカゴだと、大きくて引きずる、重くて持てない子どもでも、小さなカゴを使うことで、一人で欲しいものを選択し、レジに持っていくことができます。また、高齢者も大きいカゴだと持ち歩くことが難しい人も、買い物ができます。

電子マネー

お財布を持たずに、スマホ一つで買い物ができる電子マネー。障害を抱える人は、おつりの計算が苦手な人も多く、買い物する度にお札を出し、お財布の中が小銭でたくさんになる人もいます。その点、電子マネーは現金やおつりのやりとりをなくし、安全で安心な買い物ができます。

暮らしのシーンから見る! 学びと研究

国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)にもあるように、障害の有無や老若男女関係なく、ともに生きる社会の実現は、人権と社会正義を守るソーシャルワークの基本的視点から大変重要です。多様性が自然と認められる社会の実現に向けて、LGBTQ+(SOGI)の差別禁止などの課題について研究しています。

心理・福祉の豆知識

なぜお決まりの店で買うことが多いのか?

皆さんは同じ店で買い物をすることが多いということはありますか?特に日用品の買い物はお店に行く頻度も多くなるため、店の選択を日々迫られます。家からの近さや安さもあるでしょうが、ポイントカードも影響を与えていませんか?あるお店では決まった曜日にポイントが多く付いたり、ポイントを貯めると割引券がもらえたりします。こうしたお店側の取り組みによって私たちの行動がコントロールされているかもしれません。このことを心理学的に説明すると、学習理論で説明できます。学習理論の中に上記の条件づけという理論があります。その中である行動が増えるようにすることを「強化」と呼びます。ポイントカードは、買い物をするたびにポイントがもらえることで、買い物行動を増やすための仕組みです。そして、行動を増やすための報酬を強化子といいます。ポイントカードの場合、強化子は「ポイント」です。ポイントがもらえることで、消費者は次もまた買い物をしたくなります。さらに、ポイントを貯めることで交換できる特典や商品をバックアップ強化子といいます。例えば、一定のポイントをためると割引や特別な商品と交換できます。これが消費者にとっての最終的な報酬です。

ポイントカードは、買い物するたびにポイント(強化子)がもらえる仕組みです。このポイントをためることで、特典や商品(バックアップ強化子)と交換できるので、消費者は買い物行動を増やします。

人にやさしいお店づくりって?

子どもから、高齢者までが生活するために、日々利用しているスーパーマーケット。安全で便利で、利用しやすい配慮がたくさんあります。

例えば、背の低い陳列棚は、子どもの目線に合わせ、自分の目でみて、手に取ることができるようになっています。これは、車イスユーザーにも届きやすい配慮です。その横に置かれている小さめのカゴは、欲しいものを手に取った子どもたちが、店内を持ち歩いてレジまで持っていけるようにと設置されています。大人用のカゴを小さな子どもが使用すると、床についてしまい上手に持ち歩けません。『買い物』という行動は、子どもの『できることを伸ばす』意味あるもの。

同様に、重いものを持ち歩けない高齢者にとっても、小さなカゴは便利です。カートを使用する方もいますが、カートは力が必要で、周りにも気を遣います。その点、小さなカゴは持ち歩けるので安全に進むことができます。

子どもも高齢者も、自分で好きなものを選んで購入することは、生活を豊かにしてくれるものです。スーパーマーケットは、来店くださるお客様すべてに『やさしいお店づくり』をしています。

カフェ

友達といつものカフェへ♪ あれ!? いつものコレも心理・福祉が関わるの…?

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推し活[社会的アイデンティティ理論]

推し活には様々な心理学的要素が含まれています。社会的アイデンティティ理論もその1つで、人が特定のグループ(例えば、好きなアイドルのファンコミュニティ)に属していることを感じ、そのグループへの所属感が自分の価値や自己評価に影響を与えるという考え方です。また、同じ「推し」がいることは強い友好関係に繋ります。

期間限定商品[希少性の原理と機会損失の回避]

希少性の原理は「手に入りにくいものほど欲しくなる心理」です。機会損失の回避は「今買わないと損するかもしれない」という感情です。両方とも、限定品や期間限定商品に強くひかれる理由です。

タッチパネル

タッチパネルは、コミュニケーションが苦手な人たちや、聴覚や発達障害をかかえている人たちにとって、タッチパネルを通して他者に自分の希望を伝えることができます。自分の好きなものを選択することは、福祉の視点での自立支援を促し、人生の中の楽しみや幸せにつながります。最近では、視覚障がい者向けの音声式タッチパネルも登場しています。

FREE Wi-Fi

スマートフォンやデバイスから授業内のシラバスや資料閲覧、小テストの実施など、通信制限を気にせず利用できるため、家にWi-Fi環境のない学生、人たちにとって大変貴重な環境です。またスタッフがタブレットを使って注文を受けたり、会計を行ったりすることがあるため、スムーズな接客ができます。

じゅうたん

カフェの床は高齢者や障害者、子どもに配慮した、滑りにくい、クッション性のある、汚れが落ちやすい絨毯を使用しています。じゅうたんにすることで、椅子を引く時の音も吸収してくれ、音に敏感な人たちが安心して過ごせることにもつながります。

暮らしのシーンから見る! 学びと研究

動物がどんな風に周りの情報を集めて問題を解決するのかを研究しています。動物によって、その方法が違うこともあります。実験を通じて、いろんな考え方に触れてみましょう。

楽しい時間はあっという間に過ぎるのに、退屈な時間はなかなか進まない。そんな時間の感じ方について研究しています。実験を通じて、脳と行動の関係を明らかにします。

心理・福祉の豆知識

カフェで推しトーク! 推し活はなぜ浸透してきた?

「推し」という言葉は80年代頃からアイドルオタク界隈で発祥した俗語とされていますが、「推し活」は2021年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされるなど、広く一般的に使われるようになりました。これほどまでに広まった「推し活」にはどのような心理学的要素が含まれているのでしょうか? その1つは上記に挙げた社会的アイデンティティ理論ですが、他にもまず、同一視という概念があります。みなさんは「推し」の人物やキャラクターと自分を重ね合わせることはありませんか?そのような心理的な働きによって自分もその人物やキャラクターになりきることで自分の価値が高まる感覚が得られます。

次に、情動転移というプロセスがあります。ファンは「推し」の成功や成長を見ることで、自分が育てているような感覚になり、喜びや満足感を得ます。さらに、エスケープの要素もあります。日常のストレスや問題から逃れるために、「推し」に夢中になることで、一時的にポジティブな感情を味わうことができます。

他にもファン行動です。同じ「推し」を応援する人たちとつながることで、自己肯定感や新たな幸福感を得ることができます。「推し活」は、共通の興味を持つ人々とつながり、社会的な支えを得るための手段です。

これらの心理学的要素が組み合わさることで、「推し活」は多くの人々に支持され、広まっていったと考えられます。

カフェのような誰もがくつろげる空間とは?

カフェには誰もが快適に利用できるような小さな配慮が隠れています。お客様の満足度にも繋がっていきます。

例えば、レジ横や、店舗入り口すぐに置かれているタッチパネル、これもその一つです。働き手不足を補うために設置されているだけではなく、日本語の分からない外国人観光客が飲食店の注文で困らないために、多言語に翻訳できるタッチパネルを採用。また、コミュニケーションを取ることが苦手な人は社会との接点が減りがちですが、タッチパネルであれば、自分ひとりで注文まで終えることができ、ストレスフリーでもあるためカフェを利用することで社会との接点を作ってくれます。最近では、音声対応できるタッチパネルも増え、視覚障がい者への配慮もされています。

他にも、足元に敷かれているじゅうたん。ゆっくりとくつろぐ空間の一つのインテリアになっていますが、座る際に、椅子を引く音や、歩く際の靴音を軽減してくれます。また、音に過敏な人にも優しい配慮となっています。

カフェにも、癒やしの空間を提供するための配慮がたくさん隠れています。