安中裕紀さん(博士後期課程2年、国立病院機構西新潟中央病院勤務)と能村友紀教授(作業療法学科)の論文が国際誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載されました。
〔研究の概要〕
在宅酸素療法は、重度の低酸素状態である慢性呼吸器疾患患者が在宅で酸素を吸入するための治療法です.在宅での治療を継続するためには、患者自身が適切に酸素濃縮装置や携帯用酸素ボンベの在宅酸素療法機器を操作することが必要です。しかし、現在では火事や転倒などの有害事象の報告が絶えず、その危険行動に影響する要因に関する報告は希少です。
私達は、在宅酸素療法機器の誤操作に繋がる要因の一つとして、慢性呼吸器疾患患者の併存症である認知機能低下が影響するのではないと考え、在宅酸素療法機器の操作能力と認知機能との関連性を調査しました。
本研究の結果から、認知機能低下のある患者は、在宅酸素療法機器の操作能力が低下することが明らかになりました。この結果から、在宅酸素療法を使用している慢性呼吸器疾患患者の認知機能低下を早期に把握する必要があるといえます。
[研究者(安中さん)からのコメント]
在宅酸素療法を使用している患者さんは、ご自宅で在宅酸素療法機器を使用し続ける必要があります。本研究では在宅酸素療法機器の操作能力に着目して調査しました。在宅酸素療法を使用する患者さんが、安全に治療継続ができるようになることを望んでいます。
[原著論文情報]
Annaka H, Nomura T, Moriyama H: Cognitive Function and the Ability to Operate Long-Term Oxygen Therapy Equipment: An Exploratory Study. Int. J. Environ. Res. Public Health 2022, 19, 10708. https://doi.org/10.3390/ijerph191710708
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