近年、大洋州では、生活習慣病による疾病・死亡率が著しく増加して、2005年には大洋州保健会議において生活習慣病の予防に関するプログラムの導入が決議されるなど、国家レベルでの対策が行われています。
こうした状況を受け、独立行政法人国際協力機構(JICA)では、政府開発援助(ODA)の一環として、将来、各地域において生活習慣病予防の指導および対策計画の立案・普及を実践できる人材の育成を目的に「大洋州における地域保健での生活習慣病予防対策コース」を設置し、日本での研修を実施しています。
本学は、保健・医療・福祉の総合大学として、生活習慣病予防に必要な看護師、管理栄養士、運動指導、リハビリテーションの全てに関する教育・研修を実践していることから、大学としては日本で唯一、研修実施機関として選定され、昨年度よりJICA受託事業として研修員の受け入れ及び学内外での研修を行っております。
今年で2年目となる今回の研修では、ソロモン・フィジー・マーシャル・トンガより地域看護師5名が研修員として来学して、栄養・運動・看護における様々な研修プログラムを実践致します。また研修期間中には、佐渡研修旅行やサッカー観戦などを通じた新潟県・新潟市との国際交流プログラムも実施されるほか、新潟市長への表敬訪問なども予定されています。
研修初日となる10月15日には盛大な歓迎会も開催され、約1ヶ月に渡る研修がスタート致しました。
■研修期間
10月15日(金)~11月12日(金)の29日間
■対象国・人数
ソロモン(1名)・フィジー(1名)・マーシャル(2名)・トンガ(1名)
■研修内容
1)自国や大洋州地域における問題点とその対応策の動向を説明することが出来る。
2)日本における生活習慣病病態別プログラムとその効果について理解を深める。
3)日本における実践的な生活習慣介入法やライフスタイルに応じた生活介入法を理解し、その指導方法を学習する。
4)生活習慣病予防の包括的プログラム構成と計画、管理法を学習し、特にプログラム運営管理について看護師の果たす役割を学習する。
5)自国の生活習慣病予防対策計画を作成する。