「空飛ぶ車イス」プロジェクトとは、日本・韓国・台湾等で集められた中古の車イスを点検・修理して、車イスの入手が困難なアジア諸国の人たちに届けるボランティア活動で、中古車イスの収集・修理、現地への輸送まで、様々な人々の協力を得ながら、20年以上に渡って続けられています。
本学では、義手・義足や車イスなどの福祉機器の製作・適合を行う専門職を育成する「義肢装具自立支援学科」の開設以来、その教育の一環として本プロジェクトに積極的に参加しています。
今回実施されたボランティア活動は、本年7月にタイへ輸送された車イス104台を、現地のNGO団体と共に点検・修理を行うもので、日本からは本学参加者3名に加え、神奈川工科大学学生18名が、また韓国や台湾からは高校生など14名が参加致しました。
現地では車イスの点検・修理作業のほか、施設訪問や車イスの贈呈、利用者訪問など様々な活動が行われ、これらの活動は現地の新聞やテレビでも報道されるなど、大きな注目を集め高く評価されました。
プロジェクトに参加した大鍋先生は、「このような活動を通して学生には視野を広げてもらい、新潟だけじゃなく世界を意識して欲しい」とのコメント。また参加学生からは、「技術力の向上などを目指して、本学に車イスに関するサークルを立ち上げたい。そして、そのサークルは義肢装具自立支援学科だけでなく、他の学科とも積極的に連携できるようなサークルにしたい。また、来年も同プロジェクトに是非、参加したい」との、力強く希望に溢れたコメントを頂きました。
本学では今後も学生の海外研修・国際交流を積極的に支援していきます。
以下、秋山 朋信(1年)さんのコメントです。
「ベトナムで活躍されていた義肢装具士に憧れて、本学義肢装具自立支援学科に入学しました。高校生の時からボランティア活動に参加していて、高校2年生の時に本学のオープンキャンパスに参加した際に、同ボランティア活動を知りました。今回のボランティアプロジェクトに参加して、自分の視野が広がり非常にためになったと同時に、自分の経験や知識が今はまだ不十分であることも痛感しました。今後は車イスの交流会に積極的に参加して、その内容を大学内外に発信していきたい。」
以下、嶋見 優太(1年)さんのコメントです。
「現地の人々は、まだまだ「障害」に対しての知識が不足しているためか、“障害”に対する偏見なども多く、障害者が表にでることができない環境であると感じました。また、日本に帰ってきてから、普段は当たり前だと思っていた事柄に対しても意識を向けることができるようになったなど、自分の視野の広がりを実感しています。しかし、自分の技量不足も痛感したので、今後は修理の技術力向上だけでなく、車イスに対する使い方を含めた正しい知識を大学内外に伝えていきたい。」
最後に、本プロジェクト遂行に尽力された日本社会福祉弘済会 佐々木 俊一氏はじめ関係者の方々に心より感謝申し上げます。
<写真上から>
・成田空港では持参する中古車いすの手続き
・ボランティアで集められた中古の車椅子
・車いすの贈呈式で利用者と握手をする秋山君
・贈呈された車いすを早速自宅へと持ち帰る利用者
・作業1日目に出された昼食
義肢装具自立支援学科の詳細はこちら
>> http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/at/index.html