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【診療放射線】胸部X線撮影2方向(正面・側面)の画像から骨粗鬆症リスクが高い人を特定するAI検診法を開発!

2025.03.28 研究情報

笠井聡教授・吉田皓文助教らの研究チームは、世界的に最も高頻度で撮影される胸部X線画像(正面・側面の2方向撮影)とAIを組み合わせて骨密度を精度良く推定できることを明らかにしました。

◆研究概要
一般に胸部X線画像は肺や心臓などの形状変化から病変を検知するために撮影されていますが、骨密度のような代謝情報の分析には用いられていません。この研究で開発したAIは従来よりも正確かつ簡便に骨粗鬆症を早期発見できると示唆されています。
本研究結果は、2025年3月に国際ジャーナル “Frontiers in Medicine | Family Medicine and Primary Care” 誌に採択され、近日中にオンライン公開される予定です。

◆研究成果のポイント

左図:胸部X線2方向撮影を用いたAIによる推定骨密度がDXA法による実測値と良好に一致している。(引用元:掲載論文 FIGURE 3)
右表:開発した骨密度推定AIの骨粗鬆症検出性能。臨床許容レベルを超えた50%特異度で、91.3%(従来法+2.5ポイント)の骨粗鬆症を検知できた。(引用元:掲載論文 Table 2)

1. 胸部X線撮影の正面像だけでなく側面像を活用する新しいAIにより、従来のAIより高い性能で骨密度を推定できることを明らかにした。
2. 開発したAIは、骨粗鬆症検診の許容レベルより高い特異度(50%)で、骨粗鬆症を91.3%検知でき、従来法より2.5ポイント向上した。
3. 開発したAIが骨粗鬆症の効果的な検診に利用できる可能性を示した。

◆研究者のコメント

骨密度の標準的な検査には高額な医療機器が必要であり、骨密度検査が骨粗鬆症リスクの高い人に十分実施されていないことが世界的に問題になっています。本研究は、骨密度を従来よりも高精度に推定できるAIモデルを開発し、プライマリケアや検診において骨粗鬆症リスクを早期発見する機会拡大を強調しました。本研究の発展により、将来は検診等の胸部X線撮影により手軽・簡便に骨粗鬆症を早期発見できることが期待できます。

◆原論文情報
Yoshida A, Sato Y, Kai C, Hirono Y, Sato I and Kasai S. Utility of osteoporosis screening based on estimation of bone mineral density using bidirectional chest radiographs with deep learning models. Front. Med. 12:1499670, 2025. doi: 10.3389/fmed.2025.1499670

 

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