千葉講師らの共同研究グループが多施設共同研究によって、小児例における次世代型ASSRの反応閾値と聴力検査の関連性を解明し、その論文が『Audiology & Neurotology』に掲載されました!
◆研究概要
聴性定常反応聴力検査(ASSR)という検査があり,この検査は特殊な音を聞いたときに発生する脳波を解析することで寝ているだけの対象者の聴力を推定することができる機器です。そのため,この検査は聴力を正確に測定することができない新生児や乳幼児に使用されることが多い検査です。我々はASSRの結果から対象者の真の聴力を可能な限り正確に推測することを目的に行い,3~6歳の小児例に対して通常の聴力検査とASSRを同時期に実施し,両者の結果の関係性や反応の差を検証し論文にまとめました。
◆研究成果のポイント
・次世代型ASSR検査機器の検査結果の特徴をまとめた
・研究対象となりにくい小児を対象とした
・本研究結果は乳幼児の聴力推定や認知機能の低下で正確な検査が困難な高齢者に対して有用性が高い
◆研究者のコメント
難聴が疑われて医療機関を受診しASSRによる精密検査を受けた際に、測定結果から可能な限り正確に聴力を推定する際の指標として用いたり、補聴器の調整に役立てたりすることができます。
◆原著論文情報
Estimation of Hearing Thresholds with Auditory Steady-State Responses to Narrow-Band Chirps in Children.
Hiroyuki Chiba, Tsukasa Ito, Toshinori Kubota, et al. Audiol Neurotol (2025) 30 (1): 89–99.
https://doi.org/10.1159/000541180
◆研究者情報
リハビリテーション学部言語聴覚学科
講師 千葉寛之
専門分野:ASSRを中心に聴性誘発反応や聴覚障害に関する研究を行っています