安中裕紀助教(作業療法学科)らの研究論文が国際誌「Frontiers in Neurology」に採択されました。
【研究概要】
てんかんには複数のタイプが存在することが知られていますが、それぞれのタイプによる心理社会的要因の影響は十分に検討されていませんでした。本研究では、社会的・医学的背景を統制した上で、内側側頭葉てんかんと側頭葉外てんかんの2つのてんかんタイプを対象に、生活の質(QOL)に影響を及ぼす因子の相違点を調査しました。
解析の結果、両てんかんタイプのQOLスコアには有意な差は認められませんでした。しかし、QOLに影響を及ぼす因子として、両てんかんタイプに共通して就労状況とうつ症状が影響していることに加えて、内側側頭葉てんかんにおいては抗てんかん薬の服薬数が影響因子として特定されました。このことは、内側側頭葉てんかん患者のQOLが側頭葉外てんかん患者とは異なり、抗てんかん薬の影響を受けやすいことを示唆しています。
【研究者からのコメント】
本研究の結果から、てんかんタイプによってQOLに影響を及ぼす因子が異なる可能性が示唆されました。この知見は、てんかんを持つ患者に対して、より適切で効果的な支援を提供するために役立てられることが期待されます。
【論文情報】
Hiroki Annaka, Tomonori Nomura, Naoya Hasegawa. Factors influencing quality of life in extratemporal lobe epilepsy and mesial temporal lobe epilepsy: A cross-sectional study using medical records. Frontiers in Neurology (In press).