現在、新潟医療福祉大学では、月に1度のペースで「四肢切断者を対象に陸上教室」を実施しています。東京パラリンピックの影響もあり、『義足でも走れる!走りたい!』という方が増えています。義足でのランニングには『板バネ』と呼ばれる走行専用の義足足部を使用しますが、日常生活においては機能の面からほとんど使用しないことや高価であることから、初心者の方にとっては手を出しづらいものです。さらに練習場所の問題もあり、義足使用者にとってランニングはハードルが高いスポーツとなります。また、教育の面においては、スポーツ義肢に関する知識は、参考書や映像によるもので、実際に触れることは、現行のカリキュラムにはありません。そのため、スポーツ義肢に興味を持つ多くの学生は、就職するまではほとんど関わることができないのが現状です。さらに義肢装具士として就職してもスポーツに携わる義肢装具士はほんの一握りといえます。
『NUHW ParaTFC(障害者陸上教室)』は、義足使用者に対して部品の貸し出しやランニング指導、グランドを提供し、気軽に参加できる環境作りと本学学生がスポーツ義肢と身近に接し、現場に近い感覚を肌で感じられる教育面での充実と他業種との連携、新潟県障害者スポーツの向上と障害者スポーツに関する研究を目的に活動しています。
今回で6回目となる本活動は、本年の締めくくりとして、現在まで多くのパラアスリートの義肢を製作してきた、オスポ代表沖野敦朗氏を招いて練習会を行います。沖野敦朗氏はこれまでに、T44クラスの佐藤選手を始め、春田選手、T47クラス多川選手といった日本代表選手の義足・義手の製作に携わっている現役の義肢装具士です。
日時:2017年12月15日(金) 19:30~21:30
場所:新潟医療福祉大学(新潟県新潟市北区島見町1398番地) 陸上競技場屋内走路
参加予定者:沖野敦朗(オスポ代表)・大腿義足者4名・本学学生約10名・理学療法士・義肢装具士・本学教員