安中裕紀助教(作業療法学科)の研究論文が国際誌「Journal of Palliative Medicine」に採択されました。
研究概要
重度の呼吸器機能障害を有する慢性呼吸器疾患では、低酸素状態を改善するために長期酸素療法の治療を受けることで生命を維持することができます。多くの患者やその家族は、呼吸困難や倦怠感などの予期せぬ苦痛に直面しています。長期酸素療法を受けている患者の生命予後を予測し、治療方針を決定することは、患者とその家族の苦痛を緩和し、QOLを向上させる一環となります。
しかし、長期酸素療法を必要とする重度の慢性呼吸器疾患の生命予後を予測する指標は、これまで十分に明らかにされていませんでした。これらの生命予後を予測する指標を明らかにすることは、長期酸素療法を受ける患者の生存期間を延長するための重要な手がかりとなります。
本研究では、長期酸素療法を受ける慢性呼吸器疾患患者を2年間追跡調査し、生命予後を予測する指標について検討しました。その結果、呼吸困難、握力、日常生活動作の自立度、認知機能が生命予後を予測する指標として抽出されました。
研究者からのコメント
本研究で得られた指標は、長期酸素療法を必要とする慢性呼吸器疾患の治療方針の決定やリハビリテーションの実施において有益であると考えられます。これにより、患者やその家族が抱える課題への適切なアプローチが可能になり、QOLの向上に寄与することが期待されます。
【論文情報】
Hiroki Annaka, Tomonori Nomura, Hiroshi Moriyama. Predictors of 2-year mortality in patients receiving long-term oxygen therapy: a prospective observational study.
Journal of Palliative Medicine. (In press).
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