松浦由生子講師(健康スポーツ学科・アスリートサポート研究センター所属)の研究論文が国際誌「Journal of Science and Medicine in Sport」に採択されました。
研究内容の概要
競泳選手に最も多い運動器障害はスイマーズショルダーと称される肩関節痛で、競技パフォーマンスにも影響を及ぼします。小胸筋や肩関節後方のタイトネスはスイマーズショルダーの発生に関連していると考えられていますが、これまでの研究では小胸筋や肩関節後方のタイトネスを可動域から判断したものが多く、各筋の筋弾性率との関連は明らかになっておりませんでした。
本研究では、剪断波エラストグラフィーを用いて競泳選手の肩関節周囲筋弾性率、肩関節可動域、等尺性筋力を計測し、スイマーズショルダーの発生に関与する因子を前向きコホート調査で明らかにすることを目的としました。
水泳選手 46 名を 6 ヶ月間追跡調査したところ、三角筋後部の筋弾性率がリスクファクターに抽出されました。本研究成果は、「Journal of Science and Medicine in Sport」に掲載されました(2023年10月5日公開)。
松浦先生のコメント
三角筋後部の筋弾性率が高いことは、競泳選手における肩痛の発生と関連していました。また女性では小胸筋の筋弾性率も関連しておりました。このことから、コンディショニングで三角筋後部と小胸筋の柔軟性を維持することでスイマーズショルダーの予防を行なうことができるかもしれません。
原論文情報
Matsuura Y, Fujimoto T, Koizumi K, Mise T, Edama M, Shimoyama Y. Posterior deltoid shoulder tightness and greater contralateral lower limb muscle strength are associated with swimmers' shoulder pain. J Sci Med Sport. 2023.(in press) DOI : 10.1016/j.jsams.2023.09.019
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