とよさか中高年教養大学は中高年の北区民の方を対象に11科目が開講されており、本学はこのうち「健康長寿学」を担当しています。
今年度5回目の8月の講座は、8月24日(木)に葛塚コミュニティセンターで開講され、34名の皆様が受講されました。
今回の講師は、臨床技術学科の齋藤大造先生より、「がんの早期発見と細胞診検査」と題してご講演いただきました。
私たちの体は体外環境が変化しても体内の環境を一定に保とうとする仕組みがあります。これを「ホメオスタシス(生体恒常性)」と言います。しかし、過度のストレスにさらされると自律神経系、内分泌系、免疫系の相互作用が崩れてバランスを失うと病気や体に変調が起こります。そのため、人体を構成する4つの上皮組織、結合組織、筋組織や神経組織およびそれぞれを構成する60兆個の細胞に異変が起こることがあり、これが「腫瘍」です。腫瘍には良性と悪性があり、宿主(人)の体を破壊しながら宿主が死ぬまで増え続けていくのが悪性腫瘍です。この悪性細胞を発見するのが、全国で約8,000人が認定されている細胞検査士の仕事です。細胞検査士は、腫瘍の遺伝子、細胞の特性を熟知し、病理専門医の診断と治療の一助となる業務を担っています。
受講者からは、腫瘍マーカー、CA19-9について質問がありました。女性の方が多いため、特に講義内容の中で、乳がんのお話を真剣に聞いていました。