富樫亮弥さん(理学療法学科17期生、大学院修士課程2年、スポーツ医科学Lab、運動機能医科学研究所)と江玉睦明教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載されました。
〔研究の概要〕
距骨下関節不安定症は、距骨下関節が解剖学的に複雑な構造を呈することから正確な診断が非常に困難であると問題視されています。距骨下関節は骨の関節面と靱帯により構成されていますが、関節の安定性の指標とされる関節面の変性との関係は関節構造とのみ検討されており、靱帯構造を含めた詳細な検討をする必要がありました。
そこで本研究では、距骨下関節の関節・靱帯構造と距骨下関節面の変性との関係を明らかにすることを目的としました。その結果、距骨下関節の関節構造と距骨下関節面の変性との有意な関係は認められませんでしたが、距骨下関節面の変性がある群では距骨下関節内に存在する骨間距踵靱帯の付着部表面積が大きいことが明らかとなりました。本研究結果から、距骨下関節面の変性は距骨下関節の関節構造と関係せず、骨間距踵靱帯の大きさと関係する可能性が示唆されました。
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https://www.nuhw-pt.jp/2023/02/20230209.html
〔研究者からのコメント〕
本研究はご遺体を対象にした解剖学的な研究であり、障害予防や障害の発生メカニズムの解明には至りませんでした。しかしながら、距骨下関節の基礎的な知見は障害予防や治療、障害の発生メカニズムの解明に必要不可欠ですので、今後さらに研究を重ねたいと思います。
〔原著論文情報〕
Togashi R, Edama M *, Shagawa M, Osanami H, Yokota H, Hirabayashi R, Sekine C, Ishigaki T, Akuzawa H, Yamada Y, Toriumi T, Kageyama I. Relationship between joint and ligament structures of the subtalar joint and degeneration of the subtalar articular facet. Int. J. Environ. Res. Public Health. [in press]
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