身体運動分析および行動分析に関する研究

(1)行動分析に関する研究
 運動機能障害に対するトレーニングの効果を高めるためには,「どのようなトレーニングを行うか」という視点に加えて,「どのようにして対象者の行動を適切な方向に導くか」という視点が必要になります.行動分析に関する研究として,対象者のトレーニングに対するコンプライアンスを高める方法について様々な角度から検証を行っています.
 私たちは,脳卒中により片麻痺を有した対象者にトレーニングの見通しを示すため,運動麻痺や日常生活動作の予後予測の方法について研究しました(Suzuki et al.. Predicting Recovery of Bilateral Upper Extremity Muscle Strength after Stroke. J Rehabil Med 2011;43:935-943).その結果,運動麻痺や日常生活動作の回復は対数曲線(図)に近似した一定のパターンを示し,発症早期からそれらの予後を予測できることが明らかになりました.