5/7 勉強会
研究報告
担当:椿
研究テーマ:近赤外分光法での脳活動計測における体循環変動の影響
要旨
- 目的:Multi-distanceでの測定により,血圧変動と酸素化ヘモグロビン量の変化との関係を明らかにすること.
- 方法:20秒間の息こらえにより短時間での血圧変動を生じさせ,その間の平均血圧,前額部皮膚血流,酸素化ヘモグロビン量を測定.酸素化ヘモグロビン量は,2種類のプローブ間隔により,深層と浅層およびその差を測定.
- 結果:平均血圧と浅層および浅層の酸素化ヘモグロビン量との間に高い相関関係.
- 考察:短時間に大きな血圧変動が生じた場合,神経活動に依らない酸素化ヘモグロビン量の変化として現れる可能性.
文献抄読
担当:鈴木
文献:Thabit MN, et al. Momentary rewqard induce changes in excitability of primary motor cortex. Clinical Neurophysiol 122: 1764-1770, 2011.
要旨
- 背景:報酬情報の処理には,眼窩前頭野,前頭前野,線条体,中脳など複数の部位が関与しているが,報酬に関連したシグナルが皮質一次運動野興奮性の変化を誘発するか否かは明らかではない.本研究では,報酬課題中の一次運動野興奮性および抑制性システムを検証することを目的とした.
- 方法:健常者14名を対象とした.報酬刺激の有無におけるshort-interval intracortical inhibition(SICI)とshort-latency afferent inhibition(SAI)の相違を経頭蓋磁気刺激によって記録した.
- 結果:報酬によってSICIが増加し,SAIが減少した.
- 考察:過去の報告では,報酬刺激後に中脳ドーパミンニューロンの活動が誘発されることや,ドーパミンの投与によりSICIが増加し,SAIが減少することが知られている.今回の報酬に関連したSICIとSAIの変化から,皮質一次運動野は報酬に関連したシグナルを入力し,報酬情報の処理に関与していると考えられた.