3/19 勉強会
文献抄読
担当:岩波
論文:Robert H. et al,Low and high imagers activate networks differentially in mental rotation.Neuropsychologia 49 (2011) 3071– 3077
要旨
- 背景:心的視覚イメージがメンタルローテーションのような認知課題の遂行に機能的な役割を果たすか否かについての見解は,研究者間で一致していない.
- 目的:メンタルローテーション課題の遂行に心的イメージ能力が必要か否かを検討すること,メンタルローテーション課題遂行時にはどの脳領域が関連するのか,また,イメージ力の高い・低いにより活性化する脳領域に違いがあるかを明らかにすることを目的とした.
- 方法:健常者を対象にVVIQを用いてイメージ力の高い群(11名)と低い群(10名)に判別した.メンタルローテーション課題を実施しながらfMRIで測定を行うことで,課題の結果と脳活動を合わせて比較した.
- 結果:メンタルローテーション課題の正答率は,イメージ力の低い群で物体の回転角度増加に伴い有意に低下した.一方,反応時間は角度増加に伴い延長したが,群間差は認められなかった.課題遂行中における運動関連領域の脳血流量上昇は,補足運動野は低いイメージ群の方が高いイメージ群より,前頭前野は高いイメージ群の方が低いイメージ群より顕著であった.
- 考察:イメージ課題の実施において同一の課題であっても,イメージ力の高低により,用いられる脳神経ネットワークが異なる可能性が示唆された.
特別ミニ講演
講師 日本歯科大学新潟生命歯学部 准教授 奈良貴史先生
「日本人の祖先はどこからきたのか」