3/25 勉強会
【研究報告】
担当:田口先生
タイトル:遅発性筋痛
- 背景:リハビリテーションやスポーツ分野において,遅発性筋痛(DOMS)の治療や予防はとりわけ重要であり,その神経・分子メカニズムの解明は欠かせない.
- 方法:我々は独自に開発したDOMSの動物モデルを用い,行動薬理学,免疫組織化学,生化学,電気生理学,分子生物学などの多角的実験手法を駆使して,その特徴やメカニズムの解明を試みた.
- 結果:①DOMSの発症強度は伸張性収縮の伸張角度と伸張角速度に依存し,伸張範囲が広く伸張速度が速い伸張性収縮はより強くDOMSを発症することがわかった.②神経成長因子やグリア細胞由来神経栄養因子は筋侵害受容器の機械感作を介してDOMSを発症し,両感作因子は相乗効果によりDOMSの発症をより増強することがわかった.③正常では温度受容や酸感受性を担い,機械受容に関わらないとされるイオンチャネル(TRPV1やASIC3)がDOMSにみられる機械痛覚過敏に関わることがわかった.
- 結論と今後の予定:上述の知見はDOMSの神経・分子メカニズムとして重要である.今後,疾患の全容解明に向け,さらなる感作因子の同定を行う予定である.