2/26 勉強会
【研究報告】
担当:椿先生
タイトル:近赤外線分光法のリハビリテーションにおける脳循環モニタリングとしての利用に向けた取り組み
- 背景:近赤外線分光法(near-infrared spectroscopy, NIRS)は脳機能の計測技術の1つであり,三次信号としての血流変化を計測するツールとして,身体拘束性の少なさが活かせる環境で活用されている.一方,脳酸素動態の計測ツールとして,周術期の脳循環管理にも使用され,術後のイベントとの関連も多く報告されている.
- 目的:これまでのNIRSを使用した運動時の生体計測での結果に基づき,臨床応用可能な領域とその使用方法について整理し,今後の可能性を検討した.
- 結果:自転車エルゴメータ駆動時の変化として,強度や運動姿勢による特徴的な変化を捉えた.またベースライン測定で安静を保つ間に体調不良を訴える被験者がおり,血圧の低下と同じかそれよりも早い段階で脳からの信号に変化が生じていることが確認できた.この現象は特に早期のリハビリテーション実施の際のリスク管理に使用できる可能性が高く,複数の病院の協力を得てこの検証を進めている.
- 今後について:この現象の背景にある機序の解明を進めるとともに,NIRSの臨床応用に向けて対象疾患を拡げるなどしてデータの蓄積を進める.また経産省の事業としても並行して進めており,これを完遂する.