8/28 勉強会

【研究報告】

担当:石垣先生

タイトル:ジャンプ着地時の膝バイオメカニクスと膝伸展筋および足底屈筋の腱stiffnessとの関連

  • 目的:ジャンプ着地時の膝バイオメカニクスと膝伸展筋腱および足底屈筋腱の力学的特性との関連を調べること.
  • 方法:健常若年男性17名を対象とし,3次元動作解析装置によるdrop vertical jump課題中の着地時膝バイオメカニクスの解析と,超音波法による膝伸展筋腱および足底屈筋腱の力学的特性の計測を行った.統計解析では,膝バイオメカニクスと下肢腱の力学的特性との関連性をピアソンの相関係数を用いて評価した.
  • 結果:膝伸展筋腱stiffnessはleg stiffnessと正の相関関係を示し,足底屈筋腱stiffnessは膝外反モーメントと負の相関関係を示した.
  • 結論:下肢腱の力学的特性が,スポーツ膝外傷のリスク動作と関連する可能性が示唆された.

【文献抄読】

担当:山代先生

タイトル:Long-lasting, dissociable improvements in working memory and long-term memory in older adults with repetitive neuromodulation

出典:Grover et al., Nat Neurosci, 2022, 25(9):1237-1246. DOI: 10.1038/s41593-022-01132-3

  • 目的:高精度tACSを用いて高齢者の聴覚言語ワーキングメモリと長期記憶を選択的に増強することができるか?を明らかにする.
  • 方法:実験1では被験者をsham,DLPFC-gamma,IPL-theta群に振り分けtACS刺激を4日間介入した.実験2では刺激部位と周波数依存性を検討するため,DLPFC-theta,IPL-gamma群に振り分けた4日間介入した.実験3では実験1と同様の刺激様式で3日間介入した.
  • 結果:DLPFC-gamma刺激は長期記憶を改善し,IPL-theta刺激はワーキングメモリを改善した.また,刺激部位と周波数を変化させた場合には有意な変化は起こらなかった.
  • 考察:4日間連続のDLPFC-gamma刺激とIPL-theta刺激はそれぞれ長期記憶とワーキングメモリを選択的に改善し,その効果は少なくとも1カ月は持続することが明らかになった.