5/15 勉強会
【研究報告】
担当:鈴木 (駿) さん
タイトル:超音波エコーによる構造的な評価に着目した慢性足関節不安定症の包含基準の検討
- 目的:超音波画像による客観的な構造評価とCAI選定基準の主観的な評価の関係性を明らかにする.
- 方法:1回以上の捻挫既往のある健常若年者34名を対象に,超音波画像診断装置を使用して,安静時とtelos Stress Deviceによる前方引き出しストレス時の距骨と腓骨を各3回撮影した.その後,被験者には足関節不安定感に関する質問票である,AII(Ankle Instability Instrument),CAIT(Cumberland Ankle Instability Tool),IdFAI(Identification of Functional Ankle Instability)に回答してもらった.また,撮影した超音波画像から,安静時とストレス時の腓骨距骨間距離を測定し,離開率を算出した.さらに,スピアマンの順位相関係数を用いて,質問票スコアと離開率の相関関係を求めた.有意水準は5%とした.
- 結果:各質問票スコアと離開率の間に有意な相関関係は認められなかった(p = 0.05).
- 結論:現行のCAI選定基準では構造障害を選定できていない可能性があり,CAIの選定では質問票に加え,客観的な構造評価を行う必要性が考えられる.
【文献抄読】
担当:田宮先生
タイトル:The Acute Effects of Interrupting Prolonged Sitting Time in Adults with Standing and Light-Intensity Walking on Biomarkers of Cardiometabolic Health in Adults: A Systematic Review and Meta-analysis
出典:Buffey AJ et al., Sports Med. 2022, DOI: 10.1007/s40279-022-01649-4B1
- 目的:長時間の座位を続けた条件と立位や軽強度の歩行で中断した条件を比較し,急性の対照実験研究を系統的にレビューすること.
- 方法:PRISMAガイドラインに従ってシステマティックレビューとメタアナリシスを実施.①長時間の座位条件,②長時間の座位を立位で中断した条件,③長時間の座位を軽強度の歩行で中断した条件間において,心代謝関連のバイオマーカーを比較した.
- 結果: 長時間の座位を立位で中断することは,食後血糖値を有意に減少させた.一方で,歩行で中断することは,食後血糖値に加えてインスリン値も有意に改善した.
- 考察:長時間の座位と比較して,食後の血糖値とインスリン値を臨床的に有意に減少させるためには,軽強度の歩行が推奨される.