11/21 勉強会

【研究報告】

担当:山代先生

タイトル:機械刺激に対する空間的注意は後期活動を抑制するか?

  • 目的:本研究は,電気刺激に比べて微細な機械刺激に対して空間的注意を向けた場合にN140やP200が抑制するか否かについて検討した.
  • 方法:被験者24名に対して電気刺激と機械刺激に対して刺激無視条件と注意条件の比較を行った.刺激間隔時間は5秒,加算回数は30回とした.
  • 結果:電気刺激と機械刺激によって誘発されるN140とP200の振幅に注意効果は認められなかった.
  • 考察・結論:本実験で用いたパラダイムでは,弱い刺激に対する注意による抑制効果は認められなかった.今後,刺激間隔時間,注意条件,侵害刺激などを用いて検討する必要がある.

【文献抄読】

担当:鈴木(駿)さん

タイトル:The influence of local pain on balance control in patients with chronic ankle instability

出典:Chen et al., BMC Musculoskelet Disord. 2022 DOI:10.1186/s12891-022-05656-4

  • 背景:足関節周囲の局所痛は,慢性足関節不安定症(CAI)患者によくみられる症状である.しかし,この局所疼痛がCAI患者のバランスコントロールパフォーマンスに何らかの影響を与えるかどうかは,まだ不明である.
  • 方法:合計26名の被験者を募集し,無痛性CAI(A群)と有痛性CAI(B群)の2群に分けた.両群の被験者は,より正確にバランスコントロール能力を反映させるために,スターエクスカ―ジョンバランステストと片足立ちテストの2つの独立したテストを受けた.
  • 結果:A群に比べ,B群では捻挫歴のエピソードが有意に多く,足関節最大底屈角度の低下,Cumberlandスコアの低下が見られた(いずれもp<0.05).スターエクスカージョンバランステストでは,B群はA群に比べ,前方到達距離が有意に減少した(p<0.05).片脚立位テストでは,B群はA群に比べ,長腓骨筋とヒラメ筋の両方で筋電信号の大きさが有意に増加した(それぞれp<0.05).さらに,B群はA群に比べ,足底圧中心が有意に前外側に位置していた(p<0.05).
  • 結論:足関節周囲に局所的な疼痛を有するCAI患者は,疼痛のない患者と比較して,捻挫のエピソードが多く,機能スコアも低かった.また,疼痛を有するCAI患者では,疼痛のない患者と比較して,バランス制御能力が劣っていた.