5/16 勉強会

【研究報告】

担当:菊地さん(M2)

タイトル:クロスオーバーカッティング時の股関節内旋角度は 足圧中心側方位置および足角と関連する

  • 目的:Jones骨折とそのリスク因子である股関節内旋可動域制限の関連メカニズム解明のために,他動的・動作時の股関節内旋可動域および足角と足圧中心の関連性を検証した.
  • 方法:他動的股関節内旋可動域を腹臥位にて股関節中間位で測定した.また,三次元動作解析装置と床反力計を用いてクロスオーバーカッティング動作時の股関節内旋可動域,足角,足圧中心を算出した.
  • 結果:他動的な股関節内旋可動域は足圧中心と関連しなかった.また,足角が大きいほど動作時の股関節内旋可動域が減少し,足圧中心は内側へ維持された.
  • 結論:本研究結果は,初回捻挫後の受傷者をcoperに移行するための,基礎的知見になり得る.

【文献抄読】

担当:五十嵐(小)さん(D2)

タイトル:Delicious and difficult to resist?: Inhibitory control differs in young women after exposure to food and non-food commercials

出典:Egbert et al., Appetite. 2022. doi: 10.1016/j.appet.2022.105993

  • 背景:食品マーケティング(=CM)は、摂食障害の危険因子の1つであることが指摘されている。また、むちゃ食い女性に、食品CMを視聴させたところ食物摂取量が増加したことが報告されており、食品マーケティングが食べ物に対する抑制機能を変化させる可能性が示唆されている。しかし、成人女性を対象に、食品CMが食べ物に対する抑制機能に影響を及ぼすかは明らかとなっていない。そこで、摂食障害傾向の高い/低い女性を対象に、不健康食品CMが食べ物に対する抑制機能とそれに関連する神経活動に影響するかどうかを明らかにすることを目的とした。
  • 仮説:不健康食品CMは、不健康食品に対する抑制機能を低下させる。また、不健康食品CMは、ERPのN200/P300振幅を減少させる。
  • 方法:27名の成人女性を対象とした。不健康食品CMまたは非食品CMを視聴した後、ストップシグナル課題を実施した。ストップシグナル課題は、刺激に対して素早く反応するGo試行と、開始した反応をキャンセルするStop試行で構成される。呈示される刺激は、健康食品または不健康食品であり、成績は、刺激に対する反応時間と精度で評価した。
  • 結果:非食品CMの視聴により、不健康食品刺激に対する抑制の精度が向上した。不健康食品CMは、食品刺激に対するN200/P300振幅を減少させた。また、不健康食品刺激は、P200振幅を増大させた。
  • 考察:非食品CMは、不健康食品を“太る”“健康でない”ことと関連付け、その結果、不健康食品刺激の対する抑制が強化された可能性が示唆される。また、摂食障害傾向のある人は、定期的に不健康食品の摂取の制限や、食品マーケティングへのフィルタリングをしていることにより、通常なら誘惑されるものに対しても抑制を働かせることができ、神経活動に影響を与えている可能性が考えられる。
  • 結論:食品マーケティングは、人の食べ物に対する注意処理や抑制機能を変化させる。